印西地区環境整備事業組合(印西市大塚1-1-1、管理者・山﨑山洋印西市長)は、このほど開いた「第5回印西地区次期中間処理施設整備検討委員会」(委員長・横田勇静岡県立大学教授)で、比較検討地の評価結果や更新とリフォームの場合の比較検討結果などを明らかにした。比較検討地では、現在地と移転先5か所を比較し、印西市の千葉ニュータウン中央駅圏9住区業務施設地区が最も高い評価を受けた。
同委員会は、次回の委員会で現在地を含む6か所の候補地の中から、評価の高かった印西市の千葉ニュータウン中央駅圏9住区、同8住区及び現在地の上位3か所をについて経済性(概算事業費等)などを加味した比較検討を行い、年度内に検討結果を管理者に報告する。次回の委員会は3月26日の開催を予定。
候補地は、構成市町村のうち栄町を除く、印西市、白井市、印旛村が5か所を提案。印西市は、千葉ニュータウン中央駅圏8住区業務施設地区と同駅圏9住区業務施設地区、白井市は白井工業団地の隣接地、本埜村は北総鉄道の車両基地隣接地、印旛村は印西地区一般廃棄物最終処分場近くの調整区域をそれぞれ提案した。この5か所の候補地と現在地について、法規制、用地の現状、周辺の状況、環境対策の必要性、余熱利用の方法、施設建設にかかる施工性などの評価項目を設定し比較検討を行った。
その結果、印西市の2か所は、余熱利用施設の利用面などで高い評価を受けた。9住区は既存の千葉ニュータウン熱供給本部に近く、8住区も将来の土地利用から地域冷暖房の可能性があることなどが評価された。
一方、事業費については、更新の場合113億3000万円(建設費113億3000万円、修繕費3億3000万円)、リフォームは116億1000万円~117億6000万円(建設費90億9000万円、修繕費17億7000万円、外部委託費7億5000万円~9億円)でリフォームが費用がかかるが、交付金を考慮した場合に、更新では市町村の負担額が82億1000万円、リフォームは86億5000万円~88億円が必要となり、更新が有利な結果となった。
同施設の規模は日量240t程度を想定。粗大ごみ処理施設については、既存施設の使用目標を20年度までとし、新施設は21年度の供用開始を目指し、循環型社会の構築へ、環境学習機能や情報発信拠点とする資源化施設(リサイクルセンター)に転換していく。
既存の印西クリーンセンターは、83年9月に中間処理施設、翌年9月に粗大ごみ処理施設に着工し、86年3月に竣工、同年4月から稼働した。また、91年12月には余熱利用施設に着工し、93年3月に竣工。その後、96年9月に3号焼却炉の増設工事と最終処分場建設工事に着工し、99年3月に完成・竣工した。