『中止』に揺れる八ッ場ダム整備事業で、実際に中止を判断したのは前原誠司国土交通大臣の一人の考えであることが、3日に審議入りした参院予算委員会の自民党・脇雅史議員による質疑で明らかとなった。脇議員は「一大臣の考えで中止にするとは驚くべきこと」と批判し、また今年度工事を取りやめたことについて「法律に基づかない行政執行はおかしい」と指摘した。
脇議員は八ッ場ダム整備事業について今後の方針を質問。前原大臣は「中止を表明した。今後は治水に関する有識者会議のとりまとめを踏まえて検証する。また地元住民や関係都県の理解を粘り強く続けて適切に対応する」と回答した。
脇議員が中止方針の出された時期を問うと、前原大臣は「就任直後」として「10月下旬に中止方針を公表した」と述べた。さらに脇議員が中止の方針を内閣で決めた時期を問うと、前原大臣は「すべてのことについて相談しているわけではない。個別のことは大臣として決めている」と答えた。これに関連しては長妻昭厚生労働大臣が「(前原大臣に)意見を聞かれたことはない」と回答。直嶋正行経済産業大臣も「(中止は)マニフェストに書いてあること」とだけ述べた。
大事業の中止について関係大臣が議論をしていないことを受け、脇議員は「驚くべきズサンさ」と強く批判した。
さらに脇議員が「行政は法律に基づいて執行する。なぜ今年度の予算(八ッ場ダム本体工事の予算)を執行しないのか。法律に基づかず『予算を流す』という行政判断が行われることはおかしい」と問うと、原大臣は「中止宣言をしただけ」と回答。脇議員は「実際に工事をやめている」と指摘した。
別の質問として、脇議員は建設業について「公共投資削減で倒産が増える」と懸念。前原大臣は「交付金により地域に落ちる金は増える。ただ雇用の問題は深刻に考えたい。転業支援やPFI活用を進める」と述べた。脇議員は「甘い。安易」と批判して「つぶれそうな会社は多くある。地域において良い会社を残すべき。発注者が良い悪いを本気で選ぶべき」として、安ければ良いという状態の改善を要求すると、前原大臣も「努力している会社が残る状況に改善する」と快諾した。
















