記事

事業者
千葉県東総地区広域市町村圏事務組合

候補地に銚子市野尻町地区を選定/ごみ処理用地、新年度は処分場調査も

2010/03/02 日刊建設タイムズ

 東総地区広域市町村圏事務組合(旭市ハの612-1、管理者:明智忠直・旭市長)は、広域ごみ処理施設建設用地の選定結果を明らかにした。銚子市、旭市、匝瑳市の構成3市が抽出した6地区の中から、銚子市の野尻町地区を有力候補地に選定した。野尻町地区はA、Bの2地区があり、今後、銚子市が地区を絞り込む。新年度では地元説明会などを実施し、周辺住民の理解を求めていく考え。新年度予算には意見交換会等支援業務委託費として約280万円を計上した。調査は日産技術コンサルタント(千葉事務所:千葉市中央区富士見1-15-9)が担当。

 候補地は3市が各2か所を抽出し、計6地区を提示。組合が法的条件(農業振興地域・埋蔵文化財等)、自然条件(気象・地質等)、社会的条件(周辺状況及び学校・民家等の隣接状況・道路交通事情等)、経済条件(収集運搬効率・建設コスト等)などを比較検討し、銚子市の野尻町地区を有力候補地に選定した。

 検討の対象となった候補地は、銚子市の野尻町地区のほか、旭市の倉橋地区と岩井地区、匝瑳市の山桑地区と東小笹地区。

 この中で野尻町地区は、収集運搬効率がよく、施工性もよいことから経済性の評価も高く、法的条件の良さも認められた。また、最大のメリットとして農業振興地域でない点が評価された。A、Bの2地区ではA地区の評価が高かった。

 このほかの地区については、匝瑳市の山桑地区と倉橋地区は、収集運搬効率が悪く、施工性、経済性の評価も低かった。旭市の倉橋地区は、運搬効率の良さはあるものの施工性に劣り、経済性の評価が相対的に低く、法的条件も悪かった。岩井地区は、倉橋地区と同様に運搬効率の良さがあり、施工性も比較的良いものの、法的条件の評価が低かった。

 ごみの広域化事業は、県が99年3月に①処理能力100立方メートル/日以上の確保②市町村の意向の尊重③地理的な条件の考慮の考え方に基づき、県内を22ブロックに区割りした「千葉県ごみ処理広域化計画」を策定。同計画に基づき広域化事業が計画された。

 建設場所については、01年度に旧干潟町、旭市、旧海上町で3か所の候補地で検討したが、まとまらず、その後、市町村の合併を経て旭市の遊正地区を候補地に選定したが、地元の同意を得ることができず、昨年度で同地区への建設を断念。08年10月に3市に新たな候補地を提案するように依頼し、3市が上記6地区の候補地を抽出し組合に提案した。

 候補地は①敷地面積が4ha以上確保できること②ごみの搬入搬出に必要な大型車両の通行可能な道路に近いこと③学校や研究所など多くの人が利用している土地及び近くは避けること④住居地域及びその近くは避けること-などが条件となっていた。

 このほか、同組合は新年度予算に最終処分場の調査費280万円を計上し、新処分場の整備に向けた調査を実施する。予算は「建設可能地域図作成・比較検討業務」の委託費。新年度で候補地を選定し、法的条件や地理的条件などを検討する。

 既存の最終処分場は、銚子市が26万6000立方メートル、旭市が16万8400立方メートル、匝瑳市が11万6311立方メートル。3市とも残容量が少なくほぼ満ぱい状態で、早急な整備が必要となっている。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら