深谷市は、策定作業を進めていた都市マスタープランをまとめ、公表した。計画目標を平成32年とし、街なか、交通環境、住環境、田園環境の維持・再生などを進める。特に、都市計画道路西通り線を重点整備路線とすることや、農を活かした交流拠点としての「まちの駅」整備、(仮称)ふれあい楽農園整備を進めることや、事業中の中央土地区画整理事業についても、事業効果を確認しながら実施することなどが、位置づけられている。
32年の目標人口は、約10万7、000人、世帯数約4万8、000世帯と推計し、まちづくりを進める。
道路整備は、骨格的な道路交通網は都市計画道路とし、特に西通り線を重点整備路線として、整備に取り組むとした。同線は、既決定路線で未整備路線。JR高崎線を越える通過交通処理のため(深谷寄居線が担う南北方向交通処理)、特に重点整備路線とした。ほか、根幹的道路交通網の完成へ、未整備の都計道も整備を推進、必要に応じ整備計画見直し、優先順位設定を行う。
農業を活かした施策では、交流拠点としての「まちの駅」は、「農」をテーマとした地域振興、交流、市民リクリエーションの場として、また市民が楽しく農に親しめる場として、直売所、広場、市民農園などからなる交流拠点の整備を推進する。
街なかの再生では、歴史的建造物を活用した拠点的公共施設整備、都計道仲仙道通りは現況8m幅員を16mに拡幅。16年度の仮換地指定に向け調整が進む中央区画整理に対しては、都計道深谷駅通り線などの幹線道路周辺から順次、事業効果を確認しつつ実施する。
また、街なか、農村集落といった、地域特性の応じた生活拠点の整備も計画。市民活動、子育て、福祉などの公共公益機能の強化を行うもの。既存の公民館、小学校などの建築物活用を優先し、新規に建物を整備すいる場合も既存公共公益施設周辺に整備。さらに、高齢者福祉施設などの民間施設も、各地域の生活拠点に新規立地を誘導する。一方、農村集落では、生活拠点に隣接した「くるリン」バス停周辺へバリアフリー化した小広場などの整備や、小規模店舗などを計画的に誘導する。
策定したマスタープランは、全体構想のみ。17年1月の新市誕生へ合併協議が進んでおり、新市移行後に、新たな計画を策定することになるため、地域別構想は策定していない。