北千葉広域水道企業団（松戸市七衛門新田５４０－５、岡本正和企業長）は、新年度から「高度浄水処理施設建設事業」に着手するが、このほど同事業に伴う工事概要を明らかにした。主要工事は、造成工事、中間ポンプ施設築造工事、オゾン処理施設築造工事、生物活性炭施設築造工事とそれに伴う電気・計装設備工事、機械設備工事など。事業は０９～１５年度の７か年で、総事業費２９２億６４００万円を投入する計画。事業費は今年度の補正予算で継続費を設定した。設計は日水コン（東京都新宿区西新宿６－２２－１）が担当している。

　同事業の全体計画量は１日最大給水量５２万５０００立方メートルで、このうち１期では１４年度内の通水を目標に４７万立方メートル分を整備する。浄水方法は、既存の凝集沈澱にオゾン処理と生物活性炭を取り込み、急速ろ過を行う。

　１期工事費の内訳は土木・建築１８３億８３９１万円、電気・計装設備２９億２５２万円、機械設備７０億７５１３万円。年度別事業費は０９年度６２８９万円、１０年度１億７５１９万円、１１～１５年度２８１億２３４７万円。

　１０年度で土木・建築工事を行い、１１年度から設備工事に入る。その後、１３年度末に総合試運転を行い、１４年度中ごろの一部給水開始を目指す。

　以下、工事概要は次の通り。

　【土木・建築】

　▽造成工事＝①土砂掘削・運搬１１万６０００立方メートル②擁壁Ｈ５ｍ③雨水調整池：有効容量３７４３立方メートル。

　▽中間ポンプ施設築造＝①中間ポンプ棟：地上１階 地下２階、延べ床面積3２９６㎡,基礎杭φ８００㎜②ポンプ井 ：有効容量１万２０００立方メートル③ 基礎杭φ８００㎜④場内連絡管 ：φ９００～２４００㎜。

　▽オゾン処理施設築造＝①オゾン棟：地上２階地下１階、延べ床面積３３９６㎡②基礎杭φ１０００㎜③オゾン接触池：４池（下向管方式 内径φ４．７ｍ、水深４７ｍ）。

　▽生物活性炭施設築造＝①生物活性炭吸着池：３２池（２ 系列×１６ 池）ろ過面積：７８㎡／池②基礎杭φ１０００㎜。

　▽場内連絡管製作接合・布設＝①流 入 管：φ１８００～２４００㎜②バイパス管φ２２００㎜③流 出 管：φ１３５０～２２００㎜④洗浄排水管：φ ９００㎜⑤オゾン接触池連絡管：φ２４００㎜⑥生物活性炭吸着池連絡管：φ１０００～２４００㎜。

　▽場内整備＝①舗装②雨水排水 ③フェンス④門扉⑤外灯設備⑥植栽、他

　【電気・計装設備】

　▽電気設備＝①中間ポンプ棟電気設備：高低圧盤、高圧インバータ盤、現場操作盤、他②オゾン棟電気設備：高低圧盤、コントロールセンター現場操作盤、他③生物活性炭電気設備：コントロールセンター現場操作盤、他④太陽光発電設備：太陽光パネル電源盤、他⑤現場制御設備：監視制御装置、分散制御装置、計装設備、他⑥その他：ＩＴＶ監視装置侵入者検知装置、他

　▽電気・計装設備＝①計算制御設備②高度浄水設備監視制御装置③既存設備機能増設（中央管理室ディスプレイ、帳票サーバ 他）

　【機械設備】

　▽中間ポンプ設備＝①横軸両吸込渦巻ポンプ：口径１０００ｍｍ×１２９立方メートル／分×２２ｍＨ×３台②電動機：かご型三相誘導電動機３φ ６０００Ｖ６００kW③弁 類：ポンプ吐出弁、逆止弁、他④その他：天井クレーン排水ポンプ、他。

　▽オゾン処理設備＝①オゾン発生装置：４組、オゾン発生器（発生量１２㎏／ｈ、濃度３５g／Ｎ立方メートル）、空気源ブロア、空気冷却乾燥装置②動力制御盤：電源 ３φ ６０００Ｖ、高圧変圧器、他③排オゾン処理装置。

　▽生物活性炭設備＝①粒状活性炭：平均粒径１．３～１．５㎜、均等係数１．３、層厚２．０ｍ、４３７４立方メートル②配管・弁類：流入弁、水位低下弁、逆洗弁、他③空洗ブロア装置④排オゾン処理装置⑤薬注設備：中塩素注入機、後ＰＡＣ注入機、薬品移送ポンプ、他。