県夷隅地域整備センターは、国道465号筒森バイパスの「(仮称)筒森1号トンネル」に今年度着工する。県予算に限度額9億円(期間10~11年度)の債務負担行為を設定した。トンネルの延長は約394mで、幅員は全幅約9.0m(車道6.0m)。工法はナトム工法を予定。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都豊島区駒込3-23-1)が担当。
同トンネルは当初567mで計画されていたが、その後、設計VEを実施し、コスト縮減から延長が394mに変更され、道路幅員も片側3.25mから3.00mに変更した。設計VEでは、道路規格を第3種第2級から第3種第3級に、設計速度を時速60kmから50kmに変更し、歩道の設置を取りやめた。
筒森バイパスは、夷隅郡大多喜町筒森から君津市黄和田畑間の総延長約3700m。幅員が狭小なうえ急カーブが連続し、交通の隘路となっている個所が多いことから、1979年度から改良工事に着工した。工事は4工区に分割し、起点側の1.0kmと中間部0.3kmの2工区1.3kmの供用を開始し、残り2.4kmについて現在整備を進めている。供用開始は2018年度が目標。
同バイパスでは構造物として、1号から3号までのトンネル3か所と1号から4号までの橋梁4か所を計画。トンネルは2号トンネルが215m、3号トンネルが243mの計画。
同事業については、県が08年度に事業再評価を実施し、①異常気象時における地域住民の安全・安心な生活環境を確保するとともに、地域の観光振興への寄与が期待される②供用区間は安全・安心が確保されているが、ネットワークとしての信頼性を確保するには評価対象区間の整備が不可欠③観光面で内房地域からのアクセスが強化され、利用促進や観光シーズンの渋滞緩和へ寄与する-などの理由から事業の継続が決まった。同事業の全体事業費は約77億4000万円を見込む。
国道465号は、茂原市を起点に、いすみ市大原を経て、いすみ市苅谷、大多喜町、君津市を通過し、富津市に至る総延長約118kmの一般国道。起点の茂原から国道128号を重用し、いすみ市から大多喜町、君津市を経て富津市の国道16号まで南房総地域を横断する重要な幹線道路で、東京湾アクアライン、東関道館山線などの高規格道路に接続し、交流ネットワークを形成する。