県土木部は16日、今年度から導入した電子入札による発注工事の第1回開札を行った。対象工事は「15国補住建第1513-01号都和アパート第1工区建設工事」。県庁20階の土木部会議室で実施した開札セレモニーでは、坂入健部長が専用パソコンの「一括開札」をクリックし、落札候補者を選定。候補者の資格確認後、金子庄一郎技監兼住宅課長が落札者と落札額を読み上げた。入札結果は県の入札情報システムに掲載した。同工事の落札者は飛鳥建設・池田林業経常JVで、落札額は2億6890万円。
茨城県の電子入札は、入札公告から閲覧、参加資格確認申請書および確認資料の申請・通知、入札書の受付、開札、入札結果の通知までを、県の電子入札システムを通じて行う仕組み。参加者は、事前にICカードの登録が必要となる。
電子入札システムは今年1月5日から運用を開始。1月7日に初適用となる工事を公告した。
また、初開札となった都和アパート第1工区建設工事は1月8日に一般競争入札を公告。1月30日まで参加資格確認申請書を受け付け、入札書は2月5日から2月13日まで受け付けた。
16日に行った初開札のセレモニーには、坂入部長など県の関係者、入札参加者5名などが出席した。
坂入部長は、これまでの電子入札への準備経過を説明しながら「県のシステムは国土交通省と同じシステムで、汎用性が高くなっている。県の他部局や市町村などとの共同運営・管理を進めてまいりたい」などとあいさつした。
続いて開札作業に入り、住宅課の担当者が工事名を読み上げ、開札準備を開始。
システムの準備が終わると、封筒から調査基準価格が記入された用紙を取り出し、数字を入力した。
引き続き、坂入部長がパソコン上の「一括開札」をクリックすると、応札者の名前と札入額が一覧表で表示された。
その後、落札候補者の資格審査作業を20分ほど行い、その結果を入力。金子課長が「審査の結果、参加資格があると認められたため、落札者と致します」と宣言し、落札者と金額を読み上げた。
引き続き、入札結果を入札情報システムに登録した。
今回の入札には16経常JVが参加。電子入札が始まって間もないこともあり、ICカードによって応札したのは3JVで、残る13JVは紙入札だった。紙入札者へはFAXで入札結果を通知した。
県では、透明性の確保や競争性の向上、事務効率化などを目指し、平成14年10月に電子入札システム開発に着手。実証実験などを経て、今年から2億円以上の建設工事を対象に試行的に運用を開始した。
本県の電子入札の導入は関東地方の都県では初めてで、全国の都道府県では7番目。
本県の電子入札システムは、ICカードを使用した高度なセキュリティ技術によって安全性を確保しているのが特徴。ICカードによる利用者登録数は13日現在で384件となっている。
今年度の電子入札による開札は8件を予定しており、本日(17日)も県営アパート建設工事4件(<1>浪逆第2アパート第1工区建設工事<2>十万原アパート第2工区建設工事<3>同第3工区建設工事<4>西十三奉行アパート14号棟建設工事)を行う予定だ。
そのほか、今月20日に新茂宮橋下部工、3月2日に(仮)新柳沢橋下部工、3月18日に水府橋下部工で実施する。
電子入札の対象案件は徐々に拡大していく計画で、来年度からは委託業務でも開始するほか、下半期からは5000万円以上の工事までに拡大していくスケジュールとなっている。