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オークサ・マテックス/軒下でツバメとハトが同居/縁起が良いと暖かく見守る

2010/05/08 長野建設新聞

 佐久市野沢の㈱オークサ・マテックスの本社ビルに、今年もつがいのツバメが帰ってきた。3年前からハトも同じ軒下に巣を作るようになり、奇妙な同居が周囲の話題になっている。

 昔から、ツバメの巣がある家は縁起が良い、お店なら商売繁盛につながると言われているが、これは簡単に迷信として片付けられない。実際に巣のあるところには人が集まり、その出入も多い。野鳥は、本能で人が守ってくれるから、安心して子育てができると思っているようだ。

 この季節になると、女子社員は外壁や玄関先に落ちる糞の掃除が日課となる。彼女は「突然ハトがやってきたため、一時ツバメが寄り付かなくなった」とその様子を振り返り、「何度かひなが落ちていたから、巣に戻してあげたこともあった」と微笑ましい光景に眼を細めている。

 ツバメの巣作りは、水田などから泥を口に含んで運び、壁に塗りつけることから始まる。わらを交互に編みこんで、巣の外装を整えるのに3日。外壁を乾かしながら内装工事に取り掛かり、約1週間程度で完成する。しっかりしたお椀形の巣はまさに職人技といえる。

 ツバメは5個前後の卵を産み、ふ化した後3週間くらいでひなが巣立って行く。すべてのひなが幼鳥になるのは至極まれなことで、僅かなひなだけが成長して親鳥になる。ツバメの寿命は平均7年と言われる一方で、例外を除き1年間の平均死亡率は60~70%と厳しい数字のため、平均寿命は約1.5年に過ぎないという説もある。よって、毎年同じツバメが飛来しているのかどうかは定かではない。

 片やハトは、言わずと知れた平和のシンボル。習性は性欲が強く1日数回、多いときは10数回も交尾を行うため、環境さえ整えば年間7~8回も繁殖を繰り返す。平均寿命は10~20年で長生きとされているが、実際には病気や事故などで死ぬものが多いという。

 軒先に巣を作られるのも何かの縁。「家が汚れる」「掃除がたいへんだ」と邪険にせず、ちょっと我慢して、暖かく見守ってほしいものだ。


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