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国道408号バイパスの促進へ/茨城県都市計画区域マスタープラン案/その2

2004/02/21 日本工業経済新聞(茨城版)

 県は、竜ケ崎・牛久都市計画(竜ケ崎市・牛久市・利根町)の区域マスタープラン案(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)をまとめた。

● 主要な都市計画の決定の方針

【土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針】

◆主要用途の配置の方針

 <1>商業・業務地…竜ケ崎市街地地域の県道河内竜ケ崎線沿道、竜ケ崎ニュータウン地域の北竜台地区と竜ケ岡地区、佐貫駅周辺、牛久駅周辺、ひたち野うしく駅周辺、利根市街地地域の布川地区等に商業・業務地を配置する。

 ひたち野うしく駅周辺は、広域を対象とした商業機能や業務機能の中心として計画的な整備を図る。

 竜ケ崎市街地地域の商業・業務地は、旧来より本区域における商業・業務の中心として栄えてきたが、近年、にぎわいと活力を失いつつあるため、これの活性化に努める。

 牛久駅周辺の商業・業務地は、牛久市の商業・業務活動の中心として整備を促進する。

 竜ケ崎ニュータウン地域の中心となる商業地として、北竜台地区の中心部を位置付ける。

 その他、竜ケ岡地区の中心部、佐貫駅周辺、布川地区の商業・業務地は、地域を対象とした商業・業務機能の整備・充実を図る。

 <2>工業地…計画的な整備を図る工業地として、つくばの里工業団地、筑波南桂工業団地、筑波南奥原工業団地を配置する。

 つくばの里工業団地と筑波南桂工業団地については、企業誘致が完了し既に工業地としての土地利用が確立されている。しかし、筑波南奥原工業団地については、団地の造成は完了しているものの、一部にまだ土地利用がされていないところがあるため、今後とも企業誘致に努める。

 その他、佐貫駅周辺と牛久市の国道6号沿道の地区等に、既存の工場等による工業地を配置する。

 <3>住宅地…竜ケ崎ニュータウン地域などの新市街地や既成市街地で市街地開発事業等によって整備された住宅地においては、今後も良好な居住環境の維持に努める。

 特に竜ケ岡地区は、流通・沿道サービス機能の他、研修・娯楽などの新しい都市機能の集積を図り、利便性の高い住宅地の形成を図る。

 人人ニュータウン地域等においては、今後とも土地区画整理事業などにより計画的な住宅地としての整備を促進する。

 その他、市街地開発事業等によって整備された地区以外の住宅地では、住宅や商業などの土地利用が混在している地区が多く見られるが、居住機能と商業機能が良好に共存した活力のある地区として環境の改善に努める。

【都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定の方針】

◆交通体系の整備の方針

 本区域における主な交通施設は、JR常磐線や関東鉄道竜ケ崎線の鉄道と、国道6号や408号などの広域幹線道路である。人口や産業の集積に伴い交通量が急速に増加し、国道6号などの幹線道路では交通渋滞が慢性化している。

 今後、現在整備中の首都圏中央連絡自動車道の整備効果などによる都市化の進展に伴い、本区域の交通量は益々増加することが予想されることから、これらの交通量を円滑に処理し、日常生活や産業活動の利便性、安全性を高めることが必要である。

 そのため、本区域においては、首都圏中央連絡自動車道を中心とした格子状の幹線街路網の構築を図る。

 また、道路交通の混雑を緩和し都市環境の改善を図るため、関東鉄道竜ケ崎線や市街地間を連絡する循環バスシステムの積極的な利用を促すなど、交通需要マネジメント(TDM)を促進する。

◆主要な施設の配置の方針

 <1>自動車専用道路…本区域は、東京から放射状に延びる常磐自動車道と東関東自動車道の中間に位置している。本区域においては、これらの自動車専用道路を連結して首都圏における環状の連絡機能を果たす首都圏中央連絡自動車道を配置する。

 <2>主要幹線街路…自動車専用道路と連携し、本区域内外の都市拠点間を連絡する主要幹線街路として、南北方向の国道6号バイパス、県道千葉竜ケ崎線、土浦竜ケ崎線、取手東線、美浦栄線バイパス、東西方向の国道408号バイパス、県道竜ケ崎潮来線、牛久赤塚線等を配置する。

 また、本県の県南地域を連絡する広域幹線道路の配置を検討する。

 <3>都市幹線街路…主要幹線街路を補完し、本区域内の市街地間を連絡する都市幹線街路として、国道6号、県道竜ケ崎阿見線、八代庄兵衛新田線、佐貫停車場線、立崎羽根野線、河内竜ケ崎線、都市計画道路貝塚・中根線及びその延伸、若柴線、北大通り線、田宮・中柏田線等を配置する。

 <4>その他…交通の結節点となる鉄道駅において、交通処理の円滑化を図るため、駅前広場の整備を促進するとともに、駅舎や駅周辺における交通施設等のバリアフリー化を図る。

 また、駅周辺や中心市街地において、自動車交通の増加に伴う駐車場需要に対応するため、駐車場の整備を図る。

◆主要な施設の整備目標

 現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な施設(都市計画施設)は、次のとおりとする。

 ※自動車専用道路…1・3・2首都圏中央連絡自動車道線

 ※主要幹線街路…3・3・11牛久・学園線(国道408号バイパス)、3・3・21岡見・馴柴線(県道土浦竜ケ崎線)、3・2・34稗柄城中線(国道6号バイパス)、3・2・39学園西大通り線(県道牛久赤塚線)、3・3・46牛久・土浦線(国道6号バイパス)

 ※都市幹線街路…3・5・8姫宮川余郷線(県道河内竜ケ崎線)、3・4・14国道6号線(国道6号)、3・4・17田宮・中柏田線、3・3・20佐貫駅停車場馴柴線(県道佐貫停車場線)、3・3・43北大通り線

◆下水道及び河川

 <1>下水道

 汚水処理は、霞ケ浦常南流域下水道の整備を促進するとともに、それに関連した各公共下水道の処理区域の拡大を図る。市街地の雨水排除は、河川や農業関連の計画と調整を図り、ポンプ場や雨水管渠の整備を進める。

 <2>河川

 本区域の河川は、利根川水系に属しており、南端に利根川、南西端に小貝川が流れている。その他の主要な河川として、小野川や西谷田川、谷田川、稲荷川、乙戸川、新利根川等があり、市街地の雨水はこれらの河川に排水されている。

 これらの河川は、洪水による浸水被害から地域の安全を確保するため、河川改修など適切な治水対策を進める。

 <3>主要な施設の整備目標

 現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な施設(都市計画施設)は、次のとおりとする。

 ※流域下水道…霞ケ浦常南流域下水道

 ※流域関連公共下水道…竜ケ崎市公共下水道、牛久市公共下水道、利根町公共下水道

◆その他の都市施設

 <1>火葬場…竜ケ崎市に1箇所(竜ケ崎市営斎場)と牛久市に1箇所(牛久市・阿見町広域火葬場)を配置する。

 <2>ごみ焼却場…竜ケ崎市に1箇所(竜ケ崎地方塵芥処理組合ごみ焼却場)と牛久市に1箇所(牛久市ごみ焼却場)を配置する。

【市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針】

 本区域における市街地開発事業は、これまでに竜ケ崎ニュータウンや人人ニュータウンなどにおける土地区画整理事業や牛久駅西口地区における市街地再開発事業、つくばの里工業団地における工業団地造成事業などが積極的に行われてきた。

 今後は、現在整備中の事業を円滑に進めるとともに、既成市街地において居住環境の改善や都市機能の更新、防災性の向上を図るための事業を重点的に行う。

 特に道路等が狭いなど都市施設整備が遅れている中心市街地においては、市街地再開発事業等を行うことによって都市施設の整備を進めるとともに、土地の高度利用や商業・業務機能の更新などを図る。

 さらに、市街化区域内の農地や工場跡地などの低・未利用地については、土地区画整理事業等を行うことによって道路や公園などが整備された良好な市街地の形成を図る。

◆市街地整備の目標

 現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な市街地開発事業は、次のとおりとする。

 ※土地区画整理事業…牛久北部特定土地区画整理事業、東下根土地区画整理事業、牛久駅西口北土地区画整理事業

【自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針】

◆主要な緑地の配置の方針

 <1>環境保全系統

 稲敷台地に広がるまとまりのある平地林や斜面林、低地部に点在する平地林、牛久沼や利根川、小貝川などの水辺の緑地等については、本区域における自然環境の骨格を形成しており、野生動植物の生息・生育地として、また、CO2の吸収や大気の浄化等の環境への負荷の軽減などといった観点から重要なものであることから、積極的な保全を図る。

 <2>レクリエーション系統

 住民の日常のレクリエーション需要に対応するため、街区公園などの住区基幹公園や農村公園などの整備を促進するとともに、人々の生活に密着した社寺境内地の保全を図る。

 また、週末のレクリエーション需要に対応するため、スポーツ・レクリエーション機能を持った運動公園など都市基幹公園の整備を進めるとともに、牛久自然観察の森、竜ケ崎市の森林公園などの利用を促進する。

 さらに、牛久沼周辺に自然景観を生かした親水公園や、新利根川に遊水池機能を持った親水公園を整備する。

 <3>防災系統

 地震や火災などによる都市災害に対応するため、災害時に住民の避難地となり、また、延焼遅延効果がある緑地や農地の保全を図る。斜面崩壊などの自然災害に対応するため、台地と低地の間に連なる斜面林の保全を図る。

 <4>景観構成系統

 市街地の周辺に残された緑地など自然的な景観を維持するため、台地と低地の間に連なる斜面林、小野川や稲荷川沿いの谷津の斜面林などの保全を図る。また、潤いのある都市景観を創出するため、幹線街路等の緑化に努める。

 さらに、本区域内に点在する集落地の屋敷林や社寺林など昔ながらの安らぎをもたらす景観の保全に努める。

◆公園緑地等の整備目標及び配置方針

 <1>運動公園…竜ケ崎市総合運動公園の整備を進める。利根町の押付地区における高規格堤防の上部に整備された上曽根運動公園については、高規格堤防の拡張に併せた施設の拡大を図る。

 <2>総合公園…牛久市、竜ケ崎市及び利根町に各1箇所を設置することを目標とする。

 <2>その他の公園緑地等…街区公園などの住区基幹公園、風致公園や親水公園などの特殊公園、都市緑地などを適切に配置し、その整備を図る。

◆主要な緑地の確保目標

 現在整備中又はおおむね10年以内に整備に着手することを予定する主要な公園緑地等(都市計画施設)や、おおむね10年以内に指定することを予定する緑地保全地区等(地域地区)は、次のとおりとする。

 ※都市計画公園…竜ケ崎市総合運動公園、牛久北部西近隣公園、東下根近隣公園

 ※都市緑地…利根緑地



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