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千葉県印西市

大和測量特定、事業協力者募集へ/印旛中央区画整理の今年度調査業務

2010/06/25 日刊建設タイムズ

 印旛中央土地区画整理組合設立準備委員会(事務局:印西市都市整備課内)は24日、同土地区画整理事業の今年度調査設計等業務委託に係るプロポーザルで、大和測量(東京都渋谷区初台)を特定したことを明らかにした。2012年度の組合設立を目指して事業を推進するために、事業協力者の募集を行い、課題の整理および企業の参画条件等を検討。併せて組合設立準備委員会の運営補助を行うのが業務委託の内容。組合設立準備委員会では、大和測量の提案に基づき7月に事業協力者の募集を開始し、10~11月頃に選定する予定。なお、今回のプロポザールには大和測量、八州、昭和、福岡土地区画整理の4者が参加した。

 印旛中央地区(印西市瀬戸、吉高の一部)は、合併前の旧印旛村時代に、住宅・都市整備公団(当時)施行により約100haの土地区画整理事業が計画されていたが、事業化が難航し、千葉ニュータウン事業の収束に合わせた2013年度までの事業完了が困難だとして、UR都市機構が07年7月の事業評価監視委員会で中止を決定した。

 しかし、成田新高速鉄道(成田スカイアクセス)や北千葉道路の整備により地域ポテンシャルも上がり、地元の開発意欲も相変わらず高いとして、08年6月に権利者10人とUR、当時の印旛村による印旛中央地区事業化準備会が発足。翌09年度には大和測量に基本計画策定業務を委託し、事業の成立性や事業手法などを検討した。

 その結果、組合施行による土地区画整理事業で開発の具体化を目指すこととし、昨年12月に事業化準備会を区画整理組合設立準備委員会へ移行し、業務代行者が決まるまでは印西市、URが支援することになった。なお、土地利用については当初、工業系を想定していたが、現在は施行区域を約95haとし、住宅系を主体に、幹線道路付近に工業・業務系や商業系の配置を考えている。

 印旛中央地区は、東京都心部から50km、成田国際空港から15kmに位置。地区の西側は千葉ニュータウン「いには野」地区に接しており、土地区画整理事業予定区域の西端から約1kmには北総線「印旛日本医大駅」もある。今年7月に成田スカイアクセスが開通すると、都心と成田空港が最速36分で結ばれるほか、北千葉道路が完成すれば、成田空港などへのアクセスもさらに向上することになる。

 こうした交通利便性の高まりも考慮して、09年度の基本計画では、道路や公園等の公共施設用地を除く土地利用として住宅系(一般住宅用地約34ha、中高層集合住宅用地約5ha)、工業・業務系(約15ha)、商業系(約7ha)の大きく3つの用途を想定。

 住宅系用地については、最寄り駅となる「印旛日本医大駅」側に東京都心や成田方面通勤者のための一般住宅用地を配置。商業系用地は、成田方面からのアクセスが最も良好な北千葉道路との交差部付近に十分な面積を確保し大区画で配置。

 工業・業務系用地は、やはり成田方面からのアクセスが良好なエリアに配置し、業務施設や物流施設だけでなく、日本医科大学千葉北総病院や順天堂大学との近接性を生かした研究施設の立地も想定している。

 こうした土地利用計画については、今後、権利者の意向や募集が行われる事業協力者との協議も踏まえて、必要があれば修正を加え、より具体的なものにする。

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