県農林部は県営土地改良事業吉見領地区(県営湛水防除事業)の計画案縦覧を開始した。
事業対象地は吉見町地内で受益面積三三九ha、流域面積一、四三六ha、総事業費四五億一、五〇〇万円。今年度から着手し十五年度の完成を予定している。
対象となる地区は埼玉県のほぼ中央に位置し、一級河川荒川の右岸に展開する水田地帯で、流域は荒川、市野川、横見川に囲まれた南北に長い地形で旧来から吉見領と呼ばれている区域。
同地区の排水は流域の南端にある吉見領排水機、排水樋により一級河川市野川に排除しており、排水施設としては吉見領排水機場が昭和三十四年に建設されたが、近年流域内の都市化により流出量が増加。また荒川水系の流域開発と河川改修に伴う洪水到達時間の短縮外水位の上昇により、排水機能が低下し、湛水の被害が生じている。
このため排水施設を改修し、外的要因により生じる湛水被害を未然に防ぎ農業経営、地域住民の安全を図るのが同事業の目的となっている。
計画排水は現況の排水系統とほぼ同じであるが、文覚排水路の能力不足があるため、大工町堤防、台山排水路の一部を改修し、大工町堤防の上流流域の雨水を台山排水路に流す計画となっている。
また年度別の予算と予算比率は、十年度五、二〇〇万円一・二%、十一年度七億三、五〇〇万円一七・一%、十二年度九億三、三〇〇万円二一・七%、十三年度一一億四、八〇〇万円二六・七%、十四年度一〇億二〇〇万円二三・三%、十五年度四億三、〇〇〇万円一〇・〇%となっている。発注は東松山農林振興センターが担当し、測量、ボーリング調査を行っている。
事業費総額及び内訳は次のとおり。=単位千円=
〔基幹工事〕
▼排水機場工工事
▽機場下部工事(RC構造、吸水槽、吐水槽、連絡暗渠含む)=四二二、〇〇〇
▽上屋建築費(RC構造面積四七四㎡)=一六〇、〇〇〇
▽ポンプ整備費(立軸斜管径一五〇〇mm四台、排水量二一立方m)=一、九〇〇、〇〇〇
▽除塵機設備費(四基、幅四・五m、高五・〇m)=一七〇、〇〇〇
▽水門設備費(六門、同四・〇m、同二・五m)=一三〇、〇〇〇
▽堤体水路工(同一四・四~三・五m、長さ九〇・〇m)=一一〇、〇〇〇
▽樋門、樋管工(同四・〇m、同二・五m、同五四・〇m、三連)=六三八、〇〇〇
▼測量試験費(地質調査、測量、年度別実施設計)=七〇、〇〇〇
▼用地買収補償費=六〇、〇〇〇
▼全体実施設計費=五〇、〇〇〇
▼工事雑費=九二、〇〇〇
▼予備費=四八、〇〇〇
〔その他工事〕
▼排水路工事費
▽排水路工(L型ブロック水路、四・五m~三・五m、高さ一・二m、延長一・七kmm)=三一五、〇〇〇
▽排水路付帯工(水門二か所)=九八、〇〇〇
▼測量試験費(地質調査、測量、年度別実施設計)=二四、〇〇〇
▼用地買収補償費=三、〇〇〇
▼工事雑費=一〇、〇〇〇
〔その他〕
▼地方事務費=二一五、〇〇〇