県道路建設課は、県沼田土木事務所で計画を進めている大型プロジェクトの国道120号椎坂バイパス整備事業について、当初の計画から変更となった新ルートを明らかにした。それによると総延長4・2kmで、トンネルはL1・4kmの(仮称)1号トンネルとL0・5kmの(仮称)2号トンネルの2本となる。また、全体をL2・7kmの1期工区とL1・5kmの2期工区に分けて工事を進める。事業費は当初の約120億円から1期工事71億円、2期工事25億円の合計96億円を試算している。今回の計画変更により、椎坂バイパス建設事業が本格的にスタートする。
新ルートは、当初計画より南側のルートを通り、トンネル延長を短縮し、明かり部分を増やして事業費の縮減を図った。また、全体を2つの工区に分け、まず白沢村側の1期工区から先行して進め、1期工区が完成した段階で現道へ接続し供用を開始する。その後2期工区へ取りかかる方針のため、早期の事業効果が期待できる。また、トンネル延長を短くしたことで、ジェットファンが33台から6台へ変更となるほか、維持管理費が年間1億円ほど縮減されることで、5000万円程度となる。
今後のスケジュールは、今年度内に測量業務を委託し、新年度にはトンネル前後の道路部分の詳細設計に着手する方針。また、地質調査業務も16年度に並行して進める考えだ。トンネルの詳細設計については17年度に実施する考え。
注目の着工時期は、予算や用地などの関係から流動的だが、詳細設計や地元説明会を経て、早ければ18年度には工事をスタートさせ、順調に進めば22年度頃の完成を目指す。
変更後の計画では総延長4・2kmで、トンネルは白沢村側から(仮称)1号トンネル(L1・4km)、(仮称)2号トンネル(L0・5km)の2本を計画、幅員は10・25m(車道3・25m×2、歩道2・0m)。当初計画に比べ明かり部分を増やしコスト縮減を図った。
現道の国道120号は、国道17号から関越自動車道沼田インターチェンジを経て、片品・尾瀬・日光を結ぶ観光ルートとして交通量も多く、平日の24時間当たりで9037台の交通量となっている。また、山道特有のカーブや急坂が連続し、冬季は積雪や凍結のため交通の難所となっており、渋滞緩和や事故防止を目的にバイパス工事が計画された。
同事業は、平成9年より事業着手し、当初の計画では、全体の延長は4・1kmで、このうちトンネル部分は2・9kmとする計画だったが、財政難などの関係から計画変更を行った。
これまで計画変更に向け、ポイントを絞って地質調査を実施してきており、年度内には残りの部分の調査についても発注する。