県江戸川下水道事務所は、「江戸川第一終末処理場」の1期地区の早期の供用開始に向けて準備を進めている。今年度は一部準備工に入るとともに、04年度に策定した基本設計の一部を見直す。基本設計の見直しでは施設の配置計画などを中心に行う予定で、このほど設計業務を東京設計事務所(千葉事務所:千葉市中央区栄町42-11)に委託した。委託金額は1650万円。
また、今年度は場内整備に伴う実施設計を委託。工事着工のための準備工に伴うもので、搬入路や暫定調整池、環境整備の実施設計を行う。搬入路は位置や延長などを検討し、暫定調整池は設置場所や規模を検討する。設計はオリジナル設計(千葉事務所:千葉市中央区栄町36-10)。委託金額は1770万円。委託工期は11年3月6日。
本格的な着工は11年度になるが、今年度は用地取得を促進し、できれば搬入路工に着工したい意向。施設の供用開始は16年度ごろが目標。同事業では昨年度で主ポンプ棟の実施設計を実施した。主ポンプ棟の規模は面積が53m×34mで、処理能力は15万5000立方メートル/日で、設計は東京設計事務所(千葉事務所:千葉市中央区栄町42-11)が担当。設計金額は4950万円だった。
江戸川第一終末処理場は、第二処理場が08年度に処理能力の限界を迎えることから新たに整備する。対象事業実施区域は市川市下妙典及び本行徳の30.3haで、このうち敷地北西側の約9.7haを第1期区域として先行整備する。第1期区域には主ポンプ棟のほか、放流ポンプ棟、ブロア棟、沈砂池・ポンプ棟、急速ろ過池、水処理施設などを第1系列分を整備する計画。
同処理場は処理水量約31万立方メートル(日最大)の計画で、水処理施設は8系列。主な施設は、施設管理棟、主ポンプ棟、放流ポンプ棟、消毒施設、汚泥処理棟4棟、焼却炉4棟、沈砂池・ポンプ棟、特高・受電発電機棟、分水槽、ブロア棟、最初沈砂池、最終沈殿池、生物反応槽、汚泥濃縮槽、急速ろ過池、活性炭吸着施設、バイオマス施設1式など。
江戸川左岸流域下水道の全体計画は処理面積2万1000ha、処理人約143万人、処理水量約77万4000ha(日最大)。処理水量は江戸川第一終末処理場で約31万ha、同第二終末処理場場で約46万4000haを見込む。
事業の経緯は、06年1月に都市計画変更素案を縦覧し、同年8月に環境影響評価準備書、都市計画変更案を縦覧し、同年12月の県都市計画審議会で可決され、07年1月に県が都市計画決定を告示、3月に都市計画法と下水道法の事業認可を取得し、認可を受けて用地買収に着手した。