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今後2年間で病院のあり方を検討/長生病院 A棟は建て替えを含めた検討を

2010/09/16 日刊建設タイムズ

 公立長生病院(茂原市本納2777、管理者・田中豊彦茂原市長)は、このほど開いた病院運営委員会で、今後2年間程度で病院のあり方を検討していくことを確認した。同委員会は、委員の任期が切れて委員が大きく入れ替わり、役員も改選された。このため、病院のあり方について引き続き検討していくことを確認し、委員の了承を得た。委員長には新たに嶋崎義光氏(茂原市自治会連合会副会長)が選任された。

 同病院の施設については、耐震診断などで、建物の一部が老朽化しており、改善が必要との指摘があり、移転・建て替えを含めた検討が必要になっている。特にA~D棟までの4棟あるうちのA棟は昭和30年代の建設で、老朽化が著しく、建て替えを含めた検討が必要になっている。

 このため同病院では、07年度に今後の病院経営のあり方を検討するための整備計画をまとめ、昨年度は国に「公営企業経営健全化計画」を提出した。また同病院周辺では、東金市と山武郡九十九里町が共同で「東金・九十九里地域医療センター」を計画しており、長生医療圏や医師の減少などの問題を抱えている。

 今後、長生郡市7市町村で構成する長生郡市広域市町村圏組合(茂原市下永吉2101)などでも検討を行い、方向性を明らかにしていく。整備計画の策定業務は総合システム研究所(福岡市中央区六本松3-10-50-501)が担当。

 同病院の病棟は、A棟、B棟、C棟、リハビリ棟の4棟で構成し、ほかに看護師宿舎、医師住宅などがある。このうちA棟が最も古く老朽化が進んでいる。B棟も昭和50年代の建設で耐震性の問題が指摘され、C棟は病室が狭くバリアフリー対応などが課題として挙げられている。

 各施設の規模は、A棟がRC造地下1階地上4階(塔屋1階)建て延べ約1943㎡、B棟がRC造地上4階建て(塔屋1階)延べ約3799㎡、C棟がRC造地上5階建て(塔屋1階)延べ約7234㎡。看護師宿舎はS造2階建て延べ約277㎡、医師住宅は軽S造2階建て延べ約94㎡2棟。総延べ面積は約1万3869㎡に及ぶ。病院の敷地面積は約2万6482.6㎡で、駐車場は270台の収容規模。

 同病院は、1951年に1町4村の組合立国保病院として開設。その後、1988年に1市6町村で構成する長生郡市広域市町村圏組合に移管された。

 当初は一般床21床だったが、現在は一般病床231床、15診療科に拡大し、県の救急基幹センターに指定されている。

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