記事

事業者
千葉県富里市

給食施設改築や観光拠点の確保/富里市の総合計画・前期基本計画素案

2010/09/17 日刊建設タイムズ

 富里市は、2011~2020年度を計画期間とする新たな基本構想と、その前期基本計画(計画期間2011~2015年度)の素案をまとめ公表した。企画課で10月14日までパブリックコメントを募集する。

 基本構想(素案)では、目標年度である20年度の将来人口を5万3000人と想定。また、「手をつなぎ、みんなで目指す、明るく元気なまち」など6つのまちづくりの目標を設定し、これを前期基本計画の施策の柱とした。前期基本計画では、主な取り組みとして学校給食施設の改築・機能強化、富里インターチェンジおよび(仮称)酒々井インターチェンジ周辺や、市の中心地における観光客誘致のための拠点確保、成田市と共同で建設中の新焼却施設の早期完成およびリサイクルセンターの検討、一般廃棄物最終処分場の必要性の検証、それに集中合併処理浄化槽を有する団地への下水道の整備などを盛り込んだ。

 このうち、学校給食施設の改築では、中学校3校を対象とした第一調理場(約1500食対応)と小学校8校、幼稚園3園を対象とした第二調理場(約3100食対応)を統合し、新たな給食施設を整備する計画。市教育委員会では、今年度内に建設候補地を絞り込むなどして、来年度予算に基本設計費等を要望したいとしている。整備手法については、今のところPFIではなく従来型の公共事業での整備を考えている。能力は、現在の能力と同程度の約5000食を想定している。

 また、集中合併処理浄化槽を有する団地への下水道整備については、集中合併処理浄化槽が老朽化している立沢団地のある立沢台・東立沢地区など、約27haの汚水事業区域の拡大を計画し、現在、事業計画の変更手続きを進めている。

 前期基本計画(素案)のまちづくりの目標(施策大綱)および施策、主な取り組みは次の通り。

 ▽手をつなぎ、みんなで目指す、明るく元気なまち=①市民みんなで支えあう地域福祉ネットワークの充実(活動拠点となる場の確保等)②次代を担う子どもの成長と仕事と子育ての両立を支援する児童福祉の充実(認定保育所の整備促進等)③健康で生きがいのある生活を支える高齢者福祉の充実(活動拠点となる福祉センターの充実等)④地域での安心した生活を支える障害者福祉の充実⑤活力ある充実した生活を支える健康づくり・医療体制の充実(保健センターの整備等)⑥安心して暮らせる社会保障の充実。

 ▽教えあい、みんなで学ぶ、心の豊かさと愛を育むまち=①地域文化を継承し、市民の仕事や趣味、生活に役立つ生涯学習の振興(中央公民館・図書館の機能強化および適切な維持管理等)②市民の健康と活力を支える生涯スポーツの振興(スポーツ施設の計画的修繕による機能充実等)③次代を担う子どもを育む学校教育・幼児教育の推進(学校施設の修繕・機能強化、環境に配慮した学校施設整備、学校給食施設の改築・機能強化等)④青少年の健全な育成⑤多文化共生と国際交流の推進⑥平和・人権への取り組みの推進。

 ▽みんなが活躍し、農・商・工がともに輝く活力あるまち=①活力ある農林業の推進(農村環境の保全、農地転用の厳格化等)②活力を呼び込み、活気ある商工業の振興(企業進出の促進、企業誘致に関する相談・調整機能の充実、商店街の環境整備等)③地域力でもてなす観光の振興(富里IC、仮称・酒々井IC周辺や中心市街地に観光客誘致のための拠点を確保するなど観光客に魅力ある拠点づくり等)④市民を守る消費者行政の充実⑤誰もが働け、働き続けられる就業環境づくり。

 ▽人と自然が調和し、安全安心なまち=①自然と共生し、環境負荷の少ないまちづくり(地球温暖化対策の促進、自然環境の保全と市街地の緑化、新焼却施設の早期完成およびリサイクルセンターの検討、新たな一般廃棄物最終処分場の必要性の検証等)②市民を守る防災・消防救急体制の充実③安心できる地域社会を築く防犯・安全対策の充実。

 ▽市民のこころを結び、可能性を未来につなぐまち=①市の持続的な発展を支える市街地の整備と計画的土地利用の推進(七栄地区土地区画整理事業など中心市街地の整備、公共施設や民有地の緑化等)②活力を呼び込む交流基盤の整備(仮称・酒々井IC周辺道路の整備促進、都市計画道路の整備等)③市民の暮らしを支えるインフラの整備(配水施設の更新、公共下水道の整備と普及率の向上、集中合併浄化槽を有する団地等への下水道整備、根木名川9号雨水幹線の整備、江川1号雨水幹線の整備等)④都市の潤いを保つ公園・緑地の整備(公園の適正な整備、施設の長寿命化・バリアフリー化等)。

 ▽市民と行政の気持ちの共有による自立したまち=①市民と行政の協働の仕組みづくり②安定した地域社会の仕組みづくり③安定的な自治体経営④広域との連携。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら