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栃木県林務部

10年度の日光活性化対策事業は中禅寺湖畔北側の国道拡幅改良と電線類地中化がメイン

1998/05/29 栃木建設新聞

 県自然環境課は、国際観光地『日光』活性化対策事業について、今年度の実施内容を明らかにした。それによると、中禅寺湖畔北側の国道拡幅改良、電線類地中化、統合桟橋実施設計、移転家屋等の調査が主な内容となる。このうち、国道拡幅改良及び電線類地中化については、土木部に事業を委託する。当初予算には、拡幅改良三億千万円、電線類地中化一億円、統合桟橋実施設計千万円、家屋等調査費三百五十万円を計上した。

 国道の拡幅改良は、中禅寺湖北岸を走る一二〇号の湖畔側道路が対象。一二〇号は中宮祠水上交番付近で山側道路と湖畔側道路に分岐、二荒山神社手前で再び合流している。山側道路の拡幅改良は、ほぼ終了しており、昨年度から湖畔側道路の拡幅改良に着手している。

 湖畔側道路については昨年度、遊覧船乗り場北側の赤い大鳥居付近から約二〇〇mの拡幅改良を実施。今年度は引き続いて、二荒山神社方向に約二〇〇~三〇〇m整備を推進する。内容としては、現況全幅一〇mから一二mに拡幅。車道は七・五mから八・五mに、店側にある歩道は二・五mから三・五mに拡幅する。

 また、国道の拡幅整備に伴い、同区間の電線類地中化を実施。東電・NTTなどの配線を地中に埋設し、中禅寺湖畔の美しい景観を損なわないよう配慮、観光客の呼び戻しを図る。これらの工事は日光土木事務所から、七月ごろにも発注される。

 懸案となっている統合桟橋については、昨年度にたたき台となる基本設計を発注。(株)プレック研究所(東京都渋谷区元代々木町三〇-一三)が千四十万円で落札し、作業を進めている。今年度は建設に向けて、実施設計の発注を予定。中禅寺湖の気象条件に合致した形状・形式を煮詰めていく。計画している二基の手こぎ・足こぎボート用桟橋のうち、来年度にも一基の建設に着手したい意向。

 観音薙園地地内家屋等調査については、米国人貿易商トーマス・B・グラバー邸跡地や、ハンス・ハンター邸跡地を含む周辺の園地整備を計画しているため、それに先立つ測量や家屋調査が主な内容となる。

 日光中禅寺湖周辺地域は近年、観光客の伸び悩みが深刻化しており、それらに歯止めをかけようと国際観光地『日光』活性化対策事業を始め、自然公園核心地域総合整備事業などを導入して、様々な施設整備が計画されている。



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