県県土整備部下水道課は、県内の東京湾流域別下水道総合計画、利根川流域別下水道総合計画、九十九里・南房総流域別下水道総合計画の3流域別下水道計画が10年を経過し、フレーム等の予測値などが変化していることから、計画の見直しを進めている。東京湾流域別下水道は昨年度までに基本計画の策定を完了し、利根川流域と九十九里・南房総流域は今年度で基本計画をまとめる。利根川流域の基本計画は日本水工設計(東京都中央区勝どき3-12-1)、九十九里・南房総流域の基本計画は東京設計事務所(千葉事務所:千葉市中央区栄町92-11)がそれぞれ担当。
利根川流域は、08年度で流域の人口の把握など基礎データを収集し、昨年度で将来人口の予測、汚濁解析業務などの調査を実施。九十九里・南房総流域は、昨年度と今年度の2か年で流域人口等の基礎調査、目標年次となる2024年度の環境予測などを行った。これらのデータを整理し、今年度で基本計画まとめる。利根川流域は流域が5県に及ぶことから、負荷量の調整などが必要で、調査期間が長くなった。
流域別下水道計画は、環境基本法に基づく水質環境基準の類型指定がなされている公共の水域で、下水道法に基づいて策定され、いわゆる下水道整備のマスタープランと呼ばれるもの。河川、湖沼、海域等の公共水域の水質環境基準を達成維持するために必要な下水道の整備を最も効率的に実施するため、同流域における個別の下水道事業計画の上位計画として策定する。
計画に盛り込む主な内容としては、①下水道整備に関する基本方針②下水道の処理区域③下水道処理区域に係る下水道の根幹的施設の配置、構造及び能力④下水道終末処理場から放流される下水の計画処理水質、など。区域内の地形・降水量・河川流量など自然的条件、土地利用の見通し、水の利用見通し、汚水の量及び水質の見通し、放流先の状況、費用効果分析などを勘案してまとめる。
各流域下水道の対象市町村は、東京湾流域が野田市、流山市、松戸市、市川市、浦安市、船橋市、習志野市、千葉市、市原市、袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市、鋸南町、南房総市、館山市など内房沿岸を中心とした34市町。
利根川流域が我孫子市、柏市、鎌ヶ谷市、白井市、印西市、八千代市、佐倉市、四街道市、八街市、成田市、香取市など内陸部を中心とした26市町村。
九十九里・南房総流域が旭市、匝瑳市、横芝光町、山武市、東金市、大網白里町、茂原市、長柄町、長南町、一宮町、御宿町、勝浦市、鴨川市など外房沿岸を中心とした30市町村(市町村は場所により部分的に一部重複する)。