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千葉県安房郡市広域市町村圏事務組合

安房医療センター増床の助成を了承/2次救急対象上限1.5億、基本設計最終段階

2010/10/25 日刊建設タイムズ

 安房郡市広域市町村圏事務組合(館山市北条420-4、管理者・金丸謙一館山市長)は21日、理事会と議会全員協議会を開き、安房地域医療センター(館山市山木1155)の増床計画に対する助成について報告し、了承を得た。補助金は2次救急分野を対象とし、救急医療(建物、機器含む)の2分の1以内で、上限を1億5000万円とする。

 このほか補助に当たっては、①救急患者を24時間365日受け入れる②年間一定数(1万件)以上の救急患者を受け入れる③安房医師会より安房広域あてに増床計画の同意書及び補助金交付の要望書を提出する-などの条件が付けられた。

 議会の了承が得られたことから今後、事業主体となる社会福祉法人太陽会(亀田信介理事長)と内容を詰めて、2011年度予算で補助金を計上する予定。補助金の負担割合は館山市50%、南房総市40%、鴨川市と鋸南町各5%程度を想定している。

 一方、太陽会は基本設計を進めており、設計は最終段階。基本設計完了後に実施設計に入り、年度内に設計を完了させ、来年度で着工し、同年度内の完成を目指す。基本設計はモノリス(東京都大田区東嶺町34-24)が担当。

 病院の増床は、既存の病棟が手狭なことや施設の不足から新たな病棟を整備する。新病棟の建設場所は既存病棟南側の駐車場用地内を予定。建物規模は当初、RC造3階建て延べ約1900㎡で計画していたが、設計の最終段階で面積に変更がある模様。当初の用途は1階が救急部門で面積818㎡、2階が透析室、医局、医師当直室などで746㎡、3階が外来リハビリ病棟で333㎡としていた。事業費も施設規模の変更に伴い変更となる見通しだが、当初は建築費に4億5700万円、高度医療機器に4億3081万円の総額8億8781万円を想定。施設の増床により、病院は救急部門でICU6床を含めた救急専門の診察室や医師の当直室を確保し、救急科の常勤医が勤務する救急センターとなる。

 同センターは、社団法人安房医師会が「安房医師会病院」として1964年6月1日に開設。その後、経営難に伴い08年度に亀田グループの太陽会に経営移譲され、現在は同会が「安房地域医療センター」として運営している。

 施設の規模は地下1階地上6階建て延べ9864.09㎡。敷地は館山市の市有地で面積1万3351.61㎡。病床数は一般床149床。診 療 科 目は 内科、呼吸器内科、消化器科、循環器内科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、泌尿器科、麻酔科の10科だったが、昨年5月にこれら標榜診療科に新たに糖尿病内分泌科、神経内科、救急科、乳腺外科、腎臓内科、人工透析科の5科を追加し16科とした。

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