NPO法人長野県GIS協会(増沢延男会長)は27日、長野工業高等専門学校の生徒を対象に、長野高専技術地理空間情報技術者の育成講義を開催した。本年度最後となる講義には3年生約50人が参加。近年、全国各地でゲリラ豪雨による被害が多発していることを踏まえ、国や地方自治体の土砂災害防止や国が推進する橋梁耐震化事業などへの取り組みを題材に講義した。
今回は、㈱アンドー(松本市)が講師を担当。同社の市川正英技術部チーフは、パソコンに流した映像から「急傾斜地の崩壊」「土石流」「地滑り」などそれぞれの特徴を分かりやすく解説した。
西川宗一取締役は「われわれは現地調査を行うが、山の特徴を良く知る地元の人との話をするのはとても大切」として、「夏は蛇や蜂で怖い思いをするし、冬は冬で猟師がうろうろしているから、間違って撃たれないように服装に気をつける」など、その体験をもとにユーモアを交えながら調査の様子を語った。
また西川取締役は、国が取り組む橋梁長寿命化に講義の重きを置き、橋梁の種類は桁橋やトラス橋、ラーメン橋など多種多様であることやその構造に関してなど、基本的な事項の説明を行った。
参加した生徒たちは、初めて見る土石流の映像に凄さに驚きの声を挙げるとともに、講師の説明一つ一つにうなづいていた。