2日間目の一般質問には、福地源一郎議員(自民)、村上典男議員(無所属)、田所嘉徳(自民)の3人が登壇。福田議員が新総合計画に対する知事の理念を求めたほか、村上議員が建築分野における関連事業者の連携支援について、田所議員がこども福祉医療センターの整備について知事の考えをただした。
主な質問と答弁は次のとおり。
福地源一郎議員
【新たな県総合計画に対する知事の理念】
橋本昌知事 本県の活力を維持し、元気な地域づくりを進めるためには産業振興を図り、雇用を確保していくことが必要と考え、広域交通ネットワーク整備を進めるとともに、企業誘致や科学技術拠点の京成、農業改革の推進など「産業大県」づくりに力を注いできた。
その結果、交通基盤整備は茨城空港がことし3月に開港し、北関東道でも来年春には全線が開通する運びとなり、圏央道や東関道などの整備はまだ残っているが、陸海空の広域交通ネットワーク整備委はおおむね先が見えてきた。
また産業面では企業立地も進み、ここ十年間の工場立地面積が全国1位となったほか、農業産出額も全国2位を奪還した。
「産業大県」づくりは、一定の成果を上げつつあるものの、その成果を活かし実現しようとしている、安心・安全で快適な県民生活に関連する分野での遅れが課題。
今後は、経済の活性化や所得向上をしっかり念頭におきながら、「産業大県」づくりを引き続き進め、その上で医療や福祉、教育や環境などの分野で施策充実を図る「生活大県」づくりに力を入れてまいりたい。
村上典男議員
【建築分野における関連事業者の連携支援】
福田敬士商工労働部長 ことし10月現在で県が認可している事業協同組合は、493組合。うち、建設業や設備工事業など建設関係業種の組合は76組合で、その中で異なる業種の事業者で組織する組合は約2割。
この異業種による組合を見ると、建築設計や大工、左官、内装などの事業者で組織している組合では、一般的に組合が共同で行う資材購入や宣伝広報に加え、設計から施工まで一括した受注、バリアフリーに特化したリフォーム事業の展開など、受注機会の拡大や新分野進出などで効果を上げている。
県では組合の設立運営について研修や巡回指導、入札参加資格の審査で総合点数の算定方法に特例を設け、受注機会の確保を図っている。今後も異業種による連携・組織化の促進を図っていく。
【茨城中央工業団地笠間地区への企業誘致】
榊真一企画部長 ハード面については昨年度から国の交付金事業などを活用し、調整池や河川改修など必要最低限のインフラ整備に着手するなど企業ニーズに対応できるよう準備している。
議員のご提案は、柔軟な雇用形態と成功報酬制度を組み合わせてはどうかとの趣旨。例えば、企業立地推進員を無報酬で委嘱し、企業誘致の成功報酬を支払うとしている自治体の例もあるので、企業OBなどの活用は、関係部局と今後さらに検討してまいりたい。
田所嘉徳議員
【こども福祉医療センターの整備】
橋本昌知事 センターの建て替え整備は検討委員会の報告書の提出を受け、これまでその内容などについて利用者や関係団体などへ説明してきたところ。
その中で整備場所は、水戸養護学校のPTAをはじめとする関係者から、学校と施設が離れることは子供たちの命に関わる切実な問題であり、学校に隣接する旧水戸産業技術専門学院跡地に整備を進めてほしいといった切実な要望などが寄せられた。
このため、検討委員会の委員にも、再度考えを伺ったところ「桜の郷でも学校との連携方策はあると考えていたが、学校と隣接していた方が安心という気持ちも理解できる」といった意見はあったが、整備場所の変更は全体として理解をいただいたところ。
これらを踏まえ、水戸養護学校との協力関係を今後も維持・発展させ、新施設を利用者の信頼に応えられる施設とすることを最優先に検討した結果、新施設は旧水戸産業技術専門学院跡地に整備したいと考えている。
また、整備運営形態は委員会からの報告のとおり、民間が重症心身障害児施設と一体的に整備・運営する肢体不自由児施設に対し、県内唯一の施設としてその機能を充実・強化するための財政支援や政策的な事業の委託などによって、県が責任を持って関わっていく方式で整備してまいりたい。
これにより、現在のセンター機能を発展的に引き継ぎ、訓練回数の増加や内科などの新たな診療科目の設置、さらには在宅で暮らす障害児支援のショートステイや訪問リハビリの充実など、利用者の要望に応えられる効率的で充実した施設にしてまいりたい。
このような基本方針のもと、できるだけ早期に、事業者の公募などを行い、新施設の整備に取り組みたい。