平成16年第1回定例県議会の予算特別委員会(飯野重男委員長)が17日と18日に開かれ、県政全般の質疑を行った。その中で、国道6号千代田石岡バイパスの整備状況として、坂入健土木部長は「千代田町市川から石岡市田島まで1・7km区間は15年11月に用地買収に着手し、取得区間は文化財調査を行っている。田島から中津川までは15年9月から幅杭設置や用地測量を進めており、東田中まで1・6km区間は今月19日に設計説明会が開かれる。早期整備に向けて、地元ととともに働きかけてまいりたい」と答弁した。
予算特別委員会の主な質疑内容は次の通り。
【常陸川水門への魚道整備など】
葉梨衛委員(自民) 常陸川水門の現況と魚道設置の必要性は。
平山恒夫企画部長 魚道の設置の必要性は極めて高いと認識している。昨年11月に行った国への要望活動でも魚道を設置することを新たに盛り込んだほか、国土交通省霞ケ浦河川事務所や本省などへの要望も行っている。
葉梨委員 国の検討状況は。
平山企画部長 霞ケ浦河川事務所で検討を始めており、データ整理や事例収集などを実施している。既存施設の活用を含め効果的な方法を検討している。
葉梨委員 水門の再生、改築もお願いしたい。
平山企画部長 魚道設置と一緒に水門改築も要望している。課題も多いが、なるべく早い改築を働きかけてまいりたい。
【観光施策の促進】
足立寛作委員(公明) 観光面で、本県の実態とイメージがかけ離れているのでは。今後の誘客対策は。
滝本徹商工労働部長 本県の観光資源を活かした仕掛けづくり、情報発信に努めていく。
足立委員 筑波山周辺の「筑波スカイライン」と「表筑波スカイライン」は有料だが、全線無料化できないか。
坂入健土木部長 表筑波スカイラインは、今年9月で料金収受期間の30年が経過するため10月1日から無料になる。一方、筑波スカイラインは徴収期限がないため、管理する県道路公社の経営健全化を検討するなかで検討してまいりたい。
【百里飛行場へのアクセス道路の整備】
常井洋治委員(民主清新) 岩間ICからの新設道路の整備見通しは。
坂入健土木部長 岩間ICから美野里町の国道6号まで約6・7km区間は、県道上吉影岩間線のバイパスとして、平成12年度に着手した。この路線は整備延長が長く、土木予算が縮減されていることもあり段階的に整備を進めることにしている。
そのうち、優先整備区間に位置づけている岩間ICから美野里町の町道まで約2・7km区間は用地取得を進めており、町道から県道石岡常北線までの約1・4km区間は用地取得が完了した。今後も、優先区間を含めて全線開通に向けて努力してまいりたい。
【国道6号千代田石岡バイパスの整備見通し】
戸井田和之委員(自民) 千代田石岡バイパスは平成10年度に事業化され、設計説明会も開かれ、15年度は一部用地買収に入ると聞いているが、整備見通しは。
坂入土木部長 千代田石岡バイパスは、千代田町市川から石岡市東大橋まで5・8kmとして計画された。そのうち千代田町市川から石岡市田島までの1・7km区間は15年11月に用地買収に着手し、これまで約4割を取得し、取得した区間は文化財調査を行っている。
田島から中津川まで1・3km区間は、15年9月から幅杭設置や用地測量を進めており、東田中まで1・6km区間は今月19日に設計説明会が開かれる。東田中から東大橋まで1・2km区間は、道路設計を行い設計説明会の開催へと進めていくと聞いている。
今後も、早期整備に向けて、地元ととともに働きかけてまいりたい。
【安全快適なみち緊急整備事業】
戸井田委員 県の安全快適なみち緊急整備事業は評判がいい。実施状況は。
坂入土木部長 この事業は13年度から17年度までの計画となっている。県の事業は総事業費200億円、200箇所で、これまでに162箇所を事業化し、15年度末までに77箇所で完了予定となっている。市町村支援事業は総事業費100億円、200箇所の計画で、そのうち121箇所を事業化し、15年度末で93箇所の完了見込みとなっている。
戸井田委員 17年度以降の取り組みは。
坂入土木部長 厳しい財政事情だが、即効性のある道路整備は必要と考えている。
【シックハウス対策】
大内久美子委員(共産) シックハウス問題で、建築基準法が改正された平成13年度より以前に建てられた県営住宅への対策は。
坂入土木部長 入居者の相談に応じ、できるだけの調査を行い、原因の究明に努めていきたい。
大内委員 換気設備への取り組みなど、総合的な対策をお願いしたい。
【残土搬入問題】
大内委員 水戸市元石川地区の約2万3500㎡に、残土が神奈川などから21万t搬入される計画があるが、県の対応は。
益子宏生活環境部長 計画書に基づく説明は受けている。事業者に対しては、水戸市や地元の意見を踏まえながら、関係者の理解に努めるよう指導を行っている。許可申請が出されれば、条例に基づき適正に対処していきたい。
【茨城中央工業団地の立地促進戦略】
荻津和良委員(自民) 茨城中央工業団地への初立地として読売新聞社が印刷工場を建設するということで、間もなく着工と聞いている。交渉の経過と、同社がこの工業団地を評価した点は何か。
平山企画部長 昨年9月に関係者が来県され、ねばり強く交渉した。評価していただいた点は、茨城中央工業団地はICを包み込むような形で造成され、配送の利便性が高いこと、規模に応じて区画の分割を行ったことなどで、昨年12月26日に契約に至った。
荻津委員 今年1月に第2期分譲地の用途変更を行ったが、その狙いと、具体的な誘致戦略は。
平山企画部長 工業専用地域を準工業地域に変更し、土地利用の弾力化を図ったもの。今後、県税の優遇措置などを含め、広域的なネットワークを生かせるよう、商業・サービス産業など幅広い業種の誘致を図り、複合的な産業拠点を目指してまいりたい。
荻津委員 つくばと連携した研究関連施設の誘致ができないか。
平山企画部長 第2期分譲地区の土地利用には、商業・サービス機能に加えて研究開発機能も含めている。つくばなどとの相乗効果が生かせるよう、努めてまいりたい。
【道路行政】
荻津委員 県道宮ケ崎小幡線はまだ未整備の区間があるが、鳥羽田地内の整備状況は。
坂入土木部長 15年度に安全快適なみち緊急整備事業を導入し、約300m区間を事業化した。本年2月に測量に関する地元説明会を行い、多くの同意を得たところ。今後は、路線測量、道路設計を進めて、用地取得に入れるよう努めてまいりたい。
荻津委員 県道大洗友部線の海老沢地区は、国道6号との交差点が食い違っており、朝や海水浴シーズンに渋滞している。海老沢バイパス工事の一日も早い完成をお願いしたい。
坂入土木部長 海老沢バイパス2・6kmの整備は平成8年度から行っており、1・8km区間の改良工事を進めている。残る区間は、用地取得が難航しているが、全力で取り組んでまいりたい。