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茨城県取手市

まちづくり目標「ウェルネス・タウン取手の創造」/土地利用構想再立案へ/取手駅北土地区画整理事業

2010/11/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 取手市中心市街地整備課は、取手駅北土地区画整理事業地内の地域再生計画「取手“芸術の杜”創造プロジェクト」を白紙化。現在は再生計画の前段である「土地利用構想」の再立案を進めており、新たなまちづくりの羅針盤となる「まちづくりの目標」と「基本方針」案をまとめた。まちづくりの目標は「-市民の健康を維持し、活力を創造する中心市街地-ウェルネス・タウン取手の創造」とした上で、基本方針に6項目を掲げ、市民の健康を増進し活力を創出する中心市街地の創造を目指す。今後は、民間事業者の事業参画意向なども把握しながら、整備方針や方策を検討し、今年度内に土地利用構想案を策定したい考え。

 

 取手駅北土地区画整理事業は、取手駅西口北部地区の約6・5haの区域において、平成4年に都市計画決定を受け、平成5年度から施行。市は芸術館や(仮称)市民情報プラザなどを整備する地域再生計画「取手〝芸術の杜〟創造プロジェクト」を取りまとめ、平成17年7月には内閣総理大臣の認定を受けた。

 しかし、社会経済状況の変化などにより計画が実質凍結状態となっていたため、市は現状を打破すべく、各街区にかかわる土地利用構想の再立案を計画。この一環として、昨年度に土地利用の構想とその実現化方策のアイデアを盛り込んだ「まちづくり企画提案」を公募し、筑波大学小場瀬研究室が提案した「ハブ・ステーション取手」が大賞(取手市長賞)を受賞した。

 市は今年度、取手駅北土地利用構想再立案策定委員会(委員長・小場瀬令二筑波大学教授)を立ち上げ、「まちづくり企画提案公募」に寄せられた31の提案を反映させながら土地利用構想の再立案を推進。今回「まちづくりの目標」と「基本方針」案をまとめた。

 まちづくりの目標は「-市民の健康を維持し、活力を創造する中心市街地-ウェルネス・タウン取手の創造」で、基本方針案には①まち全体の健康・医療・福祉施策と連携し、そのハブ機能となる中心市街地の形成②運動(リハビリ)のできるまちづくり③芸術と調和するまちづくり④ウェルネスタウンを支える商業・業務機能が集積するまちづくり⑤ユニバーサルデザインによる、多世代の人々が交流するまちづくり⑥環境を優先させるまちづくり-を掲げた。

 市は、今回の目標と基本方針案について市民から意見を募集し、土地利用構想策定の参考としたい考え。意見の募集は来月15日(水)まで。

 今後は、整備方針の検討、構想実現のための方策検討を行うほか、民間事業者の事業参画意向などについても把握しながら、今年度内の構想案策定を目指す。来年度早々にもパブリックコメントを実施した上で、夏ごろには土地利用構想を公表したい考え。



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