未着手となっている国道6号日立バイパス区間(旭町~河原子町、約6㎞)など日立市内の幹線道路3路線のあり方を協議している「日立道路検討会」(座長・児玉好史国土交通省常陸河川国道事務所長)は、日立バイパスのルート案について「鮎川停車場線付近で国道245号に接続する」とする概略計画案を樫村千秋日立市長に報告した。この案では、旭町から鮎川停車場線付近までは海岸側を通り高架橋や盛土構造、鮎川停車場線付近から河原子町までは陸側を通る平面構造となる。合わせて、鮎川停車場線は日立バイパスに合わせて道路構造や交差点を見直すほか、現在の日立バイパスの旭町から陸側へ接続する大宮雨降川線は現在の計画で整備を進める。今後は事業主体の国が年明けにも概略計画を決定し、その後、事業着手に向けて都市計画の変更などを進める見通し。
国交省常陸河川国道と県、日立市で構成する日立道路検討会では、未着工の日立バイパス区間と、関連する鮎川停車場線(国道245号より東側)、大宮雨降川線(けやき通りより西側)の3路線の整備の進め方を検討。
19年10月から、市民参画(PI)方式で住民らの意向を聞きながら、日立バイパスのルート見直しを協議。A案からE案まで5つの案を示し、移動性や安全・安心、環境、事業性など5項目10視点で比較した結果、C案が望ましいとした。
C案は「鮎川停車場線付近で国道245号に接続する」もの。従来のルートに比べて環境負荷が少なく、概算事業費も約150億円減額できるなど、総合的に判断して望ましい案とした。
C案によると、現在の日立バイパス開通区間の旭町から南側は海上に高架橋を設けるなどして海岸線を南下し、国分町で国道245号に接続する。それに合わせて鮎川停車場線も計画を変更し、道路構造や交差点形状などを見直す。
鮎川停車場線付近から南側の河原子町までの区間は、陸側を通る平面構造とする。陸上区間は日立電鉄線跡地を活用して原道の拡幅などを行う。
今月17日には、検討会の座長である児玉所長らが日立市役所で、概要計画案を樫村市長に報告した。樫村市長は「これで市内の幹線道路網が確定することになる。提出された計画案を有効に活用する」と述べた。
今後、日立市では12月中旬ごろ計画案を日立都市計画道路再検討委員会(委員長・山形耕一茨城大名誉教授)に諮り、3路線の方向性を確認。それを受けて、国や県などは年明けにも概要計画を決定する。その後、県と市は、昭和59年に都市計画決定されている同バイパスの都市計画変更の手続きに入る見通し。
日立バイパスは、田尻町から河原子町までの約10・4㎞。そのうち北側の田尻町から旭町まで(約4・7㎞)が20年3月までに開通している。
【写真=概略計画案を樫村千秋日立市長に報告】