国土交通省は、駅へのホームドアの整備について、どのような駅を対象に実施していくべきかの基準づくりを進めていく。これまで鉄道事業者への調査で、各事業者がホームドアの整備計画を作成しており、それによると現在285駅が整備対象になっていることが分かった。同省では、9日に第1回目の「ホームドアの整備促進等に関する検討会」を開き、夏ごろまでには中間とりまとめとして、どのような駅を対象にホームドアを設置すべきなのかを示したい考え。
ホームドアの整備は、電車のドア数の違い、ホーム自体が狭い、さらに夜間の工事になる点や構造上補強が必要など、駅ごとにさまざまな課題もある。検討会では、課題に対しての具体的な解決策まで踏み込むことは難しそうだが、少なくとも課題の整理は実施するとしている。
8日に会見を開いた大畠章宏大臣は「構造上難しいところもあるかもしれないが、できないことはないと思う」をコメントし、さらに「どういう駅に設置するのが望ましいのか、1つの基準があってしかるべき。またできるだけ早く設置されることが望ましく、その点についても前倒しで進んでいく結果になるような議論に期待したい」と述べた。
鉄道駅での安全対策は、退避スペースの確保やホームへ上がるためのステップといった転落した場合の安全対策設備については整備が進んでいるが、転落しないための設備であるホームドアについて乗降客5000人以上の約2800駅のうち、整備済みは今年度末までで約500駅にとどまっている。