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公共事業も競り下げ方式/分離発注で「対象可能」

2011/02/19 本社配信

 民主党の行政刷新プロジェクトチーム(PT、長妻昭座長)は17日、村井宗明衆議院議員から競り下げ入札方式についてヒアリングを行った。競り下げ方式のねらいについて村井氏は「脱・お役所価格」「脱・お決まり業者」を掲げ、同方式の概要や課題を説明。また対象の拡大を提案した。公共事業においても、建設と資材を分離発注することで対象化できると説明している。建設分野には馴染みにくいと思われた競り下げ方式だが、将来的には波及する可能性が高まってきた。

 競り下げ方式は、他社の最低価格を見ながら、入札期間内であれば何度でも「より安い」入札額を提示できる方式。日本では民間企業で導入されており、国土交通省やUR都市機構も試行の実績がある。政府の行政刷新会議に設置された公共サービス分科会では導入に向けた検討を進めており、来年度には各省で試行が予定されている。

 村井氏は競り下げ方式が「すべての民間企業へ新たなビジネスチャンスを提供」できると述べ、実施対象として、導入当初は物品購入から開始し、次に役務を対象とすることを提示。さらに「基本仕様の指定ができる公的支出はすべて可能」として、公共事業における建設と資材、印刷におけるデザインと印刷などについても、分離発注をすることで対象にできる考えを示した。

 国の契約では、物品160万円以下、製造・工事250万円以下については「少額随契」として随意契約が認められている。村井氏は国の契約の約9割(156万件)(2008年度)が「少額随契」であること、業者を担当者が自由に決めていること、価格が民間価格よりも高いことについて「実態は闇の中」と注視。共同調達で160万円の壁を越えさせて競り下げ対象とすることで、より多くの企業が参入でき、コスト改善も品質確保も可能となるとの考えを示した。

 また国の高額支出25万件については、特に高額・重要なもの1%(2500件)を抽出して事業仕分けを適用し、残りの99%は競り下げを導入する案を提示した。

 なお競り下げ方式現行法では示されていない。このため村井氏は、導入のためには会計法や地方自治法、予算決算および会計令などを改正する必要性についても触れた。


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