横浜市建築局は五日までに、プロポーザル方式を用い業者選定作業を進めてきた緑区に計画の緑消防署などの複合施設の設計委託に関し、㈱金子設計の提案を特定したことを明らかにした。横浜市建築局優良設計者表彰の受賞者を指名し、提案を求めたもので、近く、契約を交わす。
消防署などの複合施設は、旧中山小学校跡地(緑区中山町九三番一ほか)の一部、敷地面積三,二七〇平方㍍に計画している。緑区総合庁舎事業における仮設庁舎建設用地を残して、消防署、現在、暫定で建設地にある市民活動支援センター(みどりーむ)、自転車駐車場を整備する。消防署と市民活動支援センターは一敷地一棟(合築)で建てるもの。
消防署と活動支援センターの建物は、敷地面積二、五五〇平方㍍のなかに鉄筋コンクリート造三階建て、延床面積二、八六〇平方㍍の構造・規模で想定している。現緑消防署は緑区総合庁舎にあり、耐震基準に適合していない。一方、自転車駐車場は、平面駐車で敷地面積七二〇平方㍍のなかに三六〇台以上の置場と、床面積一〇平方㍍の管理棟を整備する考えだ。
建築局では委託に当たり、横浜市建築局優良建築設計者表彰の平成十九年度から二十一年度の受賞者十二社を指名し、提案を求めた。十二社には、防災拠点として耐震上及び安全上安全な建築構造であり、消防活動における初動態勢を確立できる機能、二十四時間勤務体制としての職員の業務と生活の両面に配慮した機能を有した建物とするなどの設計意図を伝えたうえ、建物の設計にしての環境負荷の低減・省エネ、メンテナンス性、コスト低減に関する提案を求めた。
選定は一次で五社に絞り、二次のヒアリング等で金子設計の提案を特定した。局では、コンセプトは機能第一としながら、様々な視点から分かりやすく整理されており合築に意味を持たせ、仮設庁舎用地の将来活用まで考慮したゾーニングや個々の施設内容についてもよく検討された優れた提案として評価した。
二十三年度内に基本設計を描き、二十四年度から実施設計作業というスケジュールで進む。消防局では二十五年度から二十六年度の二か年で工事の計画を立てている。