県保健福祉部長寿福祉課は14日、本年度の「老人福祉施設整備費補助金」と「既存施設スプリンクラー整備特別対策事業費補助金」を設置主体の各法人に内示した。特別養護老人ホームの新設や増築などに整備費を助成する「老人福祉施設整備費補助金」が16カ所(箇所は別表)、各法人が順次一般競争入札を発注していく。昨年は早い法人で6月に入札を公告していたが、ことしは震災の影響で全体的な遅れが懸念される。一方の「既存施設スプリンクラー整備特別対策事業費補助金」は42カ所に内示した。
老人福祉施設整備は、県が進める高齢者プラン21と市町村の利用見込み者を勘案しながら、特別養護老人ホームの新設や増設、増改築に施設整備費の補助などを行うもの。
本年度は16施設で、そのうち新設が6施設。(仮)朱白会(美浦中央病院)の「(仮)ルロシェ」(取手市)や(仮)心和会(㈲ウェルフェア)の「(仮)めぐみの杜」(取手市)、(仮)筑竜会(牛尾病院)の「(仮)はなみずき」(つくば市)、(仮)凛徳会(㈱稲善)の「(仮)あしま」(筑西市)、(福)木犀会(ケアハウス悠)の「(仮)木犀」(常総市)、(福)武仁会(百里サンハウス)の「(仮)鉾田サンハウス」(鉾田市)―。
増改築は(福)聖隷会の晴風園(小美玉市)と(福)サンピアの松栄荘(常陸太田市)で計2施設。増築が(福)筑西会の「ヒューマン・ハウス」(結城市)など8施設。
本年度当初予算には24億7600万円を計上。前年度当初の事業費25億5500万円、17施設(新設7、増設9、増改築1)よりは若干少ないが、それでも例年を上回る数値。県は、昨年と同様、社会福祉施設の整備へ積極的に投資していく考え。
補助額は、特別養護老人ホーム50床、ショートステイ10床の場合、1億7500万円を想定。補助単価は、特別養護老人ホームが1床当たり320万円、ショートステイが1床当たり150万円で見込まれている。
また、本年度からは従来型の多床室整備も補助対象に追加されている。対象数は68床。
そのほか県では、既存の特別養護老人ホームなど42施設に対してスプリンクラー整備特別対策事業費を補助。内訳は、養護老人ホーム1施設、特別養護老人ホーム21施設、有料老人ホーム4施設、老人保健施設2施設、老人短期入所施設14カ所。
なお、小規模多機能型居宅介護事業所15施設と認知症高齢者グループホーム76施設については、これから市町村へ補助を内示する予定だ。
本年度当初予算には、既存施設スプリンクラー整備特別対策事業費として15億200万円2000円を計上した。補助額は、1000㎡以上が㎡当たり1万7000円で、1000㎡未満は㎡当たり9000円。
長寿福祉課では、14日に法人を集め、補助金を内示すると同時に説明会を実施。その際、老人福祉施設整備については一般競争入札で発注するよう周知している。
ただ、震災の影響で建築資材の変動などが懸念されることから、長寿福祉課は「例年より工事発注が遅れるのでは」と見ている。
【表=2011年度老人福祉施設整備費補助金内示先一覧】