県農林水産部担い手支援課は、今年度から農業大学校(東金市家の子1-59)の機能拡充事業を実施する。同事業では、施設の改修工事や専修学校化に向けた準備を進める。施設の改修では、本館の外壁等改修、耐震改修、研修施設の充実、学生会館の耐震補強などを予定している。また専修学校化に向けた準備では、カリキュラム再編に向けた取り組みや成績分析指導システムの導入を検討する。事業費は、県予算に改修工事等1億730万円、専修学校化に向けた準備270万円の総額1億1000万円を計上している。
本館の外壁等の改修では本館外壁の吹き付け塗装を行い、耐震改修は今年度で耐震補強を実施し、来年度で改修工事を実施する予定。また学生会館の耐震改修は、昨年度で県施設改修課が構造補強設計を委託し完了しており、今年度で意匠設計を委託する予定。工事は12年度の着工を予定している。構造補強設計はアルファ技研設計(千葉市中央区長洲2-8-5)が担当。本館の規模はRC造4階建て延べ約5305㎡。学生会館の規模はRC造(一部S造)3階建て延べ約3112㎡。
このほか研修施設の充実では、東金市油井地先にある旧産業センター跡地にほ場約3haを整備する。今後、実施設計を委託し、設計完了後に工事を発注する。
同校は、県の唯一の担い手の育成機関として1979年に設置されて以来、2400人余りの優秀な卒業生を輩出し本県農業の発展に大きく貢献してきた。しかし近年、高齢化の進展による担い手不足が顕著となるなど、担い手の育成は緊急の課題となっている。
そこで、農業大学校を、本県における担い手育成の中核的機能を担うより魅力ある学校とするため、①農学科・研究科の専修学校(専門課程)化②生産から流通販売までの幅広い知識を修得できるカリキュラムへの改編③研修科における実践的研修の充実④学生が快適に学べる教育環境の改善-など、農業大学校の機能拡充を図ることにした。
同校の施設整備では、機能拡充に伴う整備のほか、食品加工実験室の改修工事や食堂・浴室棟内部、外壁改修工事を予定。食品加工実験室の改修では実験室内導入機材の据付及びガス・水道等の配管工事を実施する。
同校は、1979年に農業短期大学校と農業経営短期大学校を統合し開校。86年には農業高等学園を合併し、県唯一の農業教育研修施設となった。主な施設は、本館、学生会館のほか、体育館などがある。本校の敷地面積は約14万8989㎡で、建物・施設の総面積は約6万6113㎡に及ぶ。また、実習農場7万7418㎡、アグリチャレンジファーム8200㎡、農業機械研修施設4万3000㎡などの施設を備える。