大宮駅東口駅前周辺整備を推進するさいたま市都市局は今年度、駅前広場と駅を中心とした南・北両地区の共同化に向けた検討を行う。このうち、高島屋大宮店を含む南地区ではこのほど、まちづくり勉強会を開催、再開発事業に向けたコンセプトづくりへの第一歩を踏み出した。北地区では、地元の動向を見極め、要請があれば話し合いの場を設定する方針。また、1万500㎡規模に都市計画変更する駅前広場については測量業務、物件調査を予定。市は「地元主導型で進めていく方針を堅持し、良好なパートナーシップを築きながらまちづくりを進めていく」方針だ。
大宮駅東口周辺地区は、大門町1丁目地内で計画されていた再開発事業の中止に伴い、関連都市計画の廃止、変更に向け、検討を重ねてきたもので、先月開かれた都市計画審議会に5つの都市計画につてい審議、了承されている。
このような状況の中、市は駅前地区を広場、南、北地区にブロック分けし、地元と行政との連携により、それぞれの進捗に合わせて事業を推進していく。
このうち、高島屋大宮店を含む南地区は大門町1丁目、錦町の一部を含むエリアが対象。先月末には初のまちづくり勉強会を開催し、昨年末に実施した個別ヒアリングを基に、現状の問題点などについて意見交換を行った。
整備方針は、再開発事業による共同化を想定。詳細については今後の地元調整を待つことになるが、地区の中で最大の敷地を有する高島屋大宮店は、今後も現地営業を望んでおり、共同化後の売り場面積も現状確保を希望している。
同店は、昭和45年にオープン。3、124㎡の敷地に地下2階地上8階建て、延べ床面積3万4、768㎡。売り場面積は15年中間決算時で1万7、300㎡。年商は208億5、200万円(15年2月基決算時)。同地区のコーディネートには首都圏総合計画研究所(新宿区、電話03-3367-1271)が参画している。
再開発事業が中止となった大門町1丁目および宮町1丁目の一部を対象とする北地区(約2ha)でも、共同化構想を検討。同地区は、木造住宅が密集しており、防災上での課題があるものの市は、整備プランを出すことはせず、地元意向を尊重し、説明要請などがあれば、出向く姿勢をとっている。
一方、駅前広場については、公共施設として市が事業を推進。都市計画の変更内容では、広場、中仙道までの中央通り含めて1万500㎡とした。中央通りは幅員40mとし、今年度は地権者合意を求めながら測量業務、物件調査に着手し、早期事業認可を目指す。
中央通り整備に関しては、北地区の沿道商店地区のセットバックなど、合意形成に時間を要することになりそうだ。
駅前広場は当面、バス乗降やタクシー乗降およびプール、自家用車専用乗降場ほか、環境空間の確保などを備えたロータリー形式で機能させ、南北両地区の事業化、大門町2丁目の中央デパート周辺地区に計画されている複合交通拠点施設などが整備された時点で、ペデストリアンデッキの必要性を改めて検討するとしている。