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国土交通省/高規格堤防検討会/2012年度からの予算化目指す

2011/05/10 本社配信


 国土交通省は25日、高規格堤防の見直しに関する検討会を開き、継続して実施している6事業について2011年度も引き続き事業を進めていくことを報告したほか、2012年度からの予算化を目指す事業の検討に向けて首都圏などの大河川流域の課題を整理した。

 継続して事業を進めているのは荒川や淀川を対象にした6事業。このうち荒川の小松川地区、川口地区については、事業の残りがわずかであることから、2012年度以降の事業方針についても早急に検討していくとした。小松川地区では本年度に盛土工7万立方m、擁壁工420mのほか測量設計費なども含めて1億2300万円を投入する予定。一方、川口地区は、地盤改良6500㎡、墓地移転や測量設計費を含めて4億1100万円を予定している。

 大河川が抱える課題としては、密集市街地であり社会・経済活動の中枢機能を有しながら地下に重要施設が集中し、さらに広範囲にわたるゼロメートル地帯の低平地、軟弱地盤による液状化現象などが挙げられ、それぞれ被災事例などを交えながら課題を整理した。

 同検討会は、今後の首都圏や近畿圏の堤防のあり方についての検討を進めており、必要な事業については2012年度に予算化させたい考え。7月ごろまでに実施すべき事業などについて最終報告をまとめ、概算要求に必要な予算を盛り込みたい考えだ。会議は今後2~3回程度の開催を予定している。

 同省は、これまで利根川、江戸川沿いなどのほか近畿圏での淀川沿いなど計873㎞で高規格堤防(スーパー堤防)整備を進めてきた。事業創設から23年が経過している中で、整備が完了している延長が50・8㎞にとどまっていたこともあり、昨年の事業仕分けで廃止と評価され、いったん事業がストップしている。

 同省は、計画されていた地域については「対策は必要」と考えており、検討会は今後の高規格堤防をどのように位置づけるのかという視点から費用対効果の考え方も含めて堤防整備のあり方を検討している。


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