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5年間で111箇所に40億円/降雨防災強化対策

2004/04/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 JR東日本は、首都圏を中心とした鉄道路線の降雨防災強化対策として、今年度から、のり面や斜面の強化工事を12路線の約500箇所、全体工事費約240億円で行うと発表した。対象となる線区のうち茨城県内では、常磐線の藤代~勝田間の111箇所で計画。これらの総工費は約40億円を見込んでいる。工事期間は、今年度から平成20年度までの5年間を予定している。

 具体的な工事内容としては、主な盛土や切取などの斜面土砂の崩壊防止のため、コンクリート製の格子枠や抑止杭などを施工。また、雨水の流れを良くするための排水設備の整備、自然斜面からの土砂流入防止を図るための土砂止め柵の設置などを行う。

 降雨防災強化対策工事は、豪雨や大雨の際に、事故防止のため列車の運転見合わせや減速などの運転規制を行っている影響を少なくするため、集中的に実施している。これまでJR東日本では、新幹線や在来線を対象に約179億円を投じて工事を進めてきた。

 今回工事を行う常磐線の藤代~勝田間は、40mm/h以上の降雨の場合に時速35km以下の規制、50mm/h以上の場合は運休などを行っている。そのため、運転中止の解消を目標に工事を進める。

 今回の降雨防災強化工事の対象線区は次のとおり。

◆豪雨等による運転中止を解消する路線、運転中止規制値を向上する路線…<1>常磐線(藤代~勝田)<2>東海道線(小田原~来宮)<3>中央線(高尾~塩山)<4>横須賀線(大船~横須賀)。

◆豪雨等による列車の速度規制値を15km/hから35km/hに向上する路線…<1>東北線(赤羽~大宮の一部区間)<2>武蔵野線(東川口~新松戸)<3>赤羽線(板橋~赤羽)<4>川越線(大宮~川越)<5>山手線(品川~田端の一部区間)<6>中央線(神田~四ッ谷)<7>京浜東北線(上野~浦和の一部区間)<8>根岸線(石川町~大船の一部区間)<9>常磐線(柏~取手)<10>横浜線(鴨居~古淵)。



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