記事

事業者
長野県

中条川土石流対策に5.9億円/災関治山4カ所8.5億円/6月補正

2011/07/09 長野建設新聞

 県森林づくり推進課は、6月補正予算に約8億5400万円を計上した災害関連緊急治山事業の概要を明らかにした。事業箇所はいずれも県北部地震により被災した栄村内の4カ所。8日の予算成立を受けて、ただちに事業に着手していく方針だ。

 このうち大規模な山腹崩壊と流出土砂による河道埋塞が発生した栄村中条川には約5億9300万円。恒久対策の一環として、河道埋塞部の開削や土石流減勢工、導流堤、床固工、谷止工といった緊急性の高い土石流対策工事を、年内の完了を目指し進めていく。

 中条川支流の東入沢川沿いで発生した山腹崩壊のうち、1号崩壊地は長さ310m、幅200m、2号崩壊地は長さ160m、幅200m。河道への堆積延長は約800m、堆積土砂量は約200万立方mに上る。

 次年度以降は埋塞部の安定化や崩壊地への対応、なだれ・地すべり対策を継続的に進める。詳細は、今後実施する調査の結果に基づき、学識経験者らで組織する「中条川上流災害対策検討委員会」による検討を経て策定していく。

 なお、今補正では下流側に砂防堰堤1基を設置する費用も別途計上している(7月6日付7面参照)。


■本年度着手は治山14カ所、林道39路線

 また、森林政策課のまとめによると、県北部地震及び5月発生豪雨による災害発生状況は、治山関係で78カ所・被害額約40億9700万円、林道関係で154路線・被害額約6億700万円。このうち6月補正予算案に盛り込んだ9カ所を含む治山14カ所(概算事業費12億3000万円)と林道39路線(同4億1600万円)は本年度から復旧事業に着手する。

 6月補正予算に計上した災害関連緊急治山事業及び県単治山事業の概要は次のとおり。

 【災害関連緊急治山事業・予算額8億5461万円】

 ▽中条川=河道開削工一式、土石流減勢工1基、谷止工1基、導流堤1基、流路工L300m、床固工3基、事業費約5億9300万円

 ▽白鳥=山腹工0.4ha(法切工、排出工、アンカー工、法枠工、護岸工、根固工)、事業費約1億6300万円

 ▽森=山腹工0.1ha(アンカー工、ボーリング暗渠工、水路工、法枠工)、事業費約7100万円

 ▽高町=山腹工0.1ha(土留工、筋工、伏工)、事業費約2700万円

 【県単治山事業・予算額3000万円】

 ▽極野=法枠工A200㎡、ロックボルト12本(L72m)、構造物撤去

 ▽森1=土止工(鉄線かご3段)L20m

 ▽森2=伏工(植生ネット)A490㎡

 ▽日隠=土留工(ブロック積)L40m、落石防止網工L40m

 ▽月岡=落石防止柵L40m


 【写真=栄村中条川の災害関連緊急治山事業計画。Excelファイルは県北部地震による被害発生状況及び本年度から着手する事業の地区別内訳】

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら