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県建設部/高瀬川左岸側案で計画/松糸道路の安曇野地域ルート

2011/07/22 長野建設新聞

 県建設部は21日、地域高規格道路の松本糸魚川連絡道路で、長野自動車道の犀川と明科トンネルの間から分岐して安曇野橋付近の高瀬川右岸道路に接続するルートについて、犀川と万水川、穂高川の3川合流部を通過するAルート(高瀬川右岸側)と、犀川橋上流で犀川を渡り、安曇橋上流で高瀬川を渡り高瀬川右岸道路と接続するBルート(高瀬川左岸側)の概略2ルート案を示し(図参照)、県としては地下水など環境への影響が少なく、概算事業費も安いBルート案を基本に、今後は詳細な調査を進めルート決定していく意向を示した。松本糸魚川連絡道路長野県側ルート建設促進協議会(会長=牛越徹大町市長)の今年度総会で報告した。

 Aルート(L約4.6km-一般部3.4km、橋梁部0.5km、IC部0.7km)は、道路線形に優れているが、地下水湧出域である3川合流箇所への橋梁架設は、河川内への構造物設置(橋台、橋脚)が制限されることから、斜張橋による長大スパンの橋が必要で、主塔の高さは90mとなり、安曇野の景観になじまず、また御宝田遊水地のコハクチョウの飛翔ルートでもあることなど課題が多く、実施困難とした。

 Bルート(L約5.4km-一般部3.9km、橋梁部0.8km、IC部0.7km)は、Aルートに比べ道路線形は複雑となるが、地下水湧出域やコハクチョウの飛翔ルートへの影響はAルートに比べ少なく、犀川(L約450m)と高瀬川(L約320m)を渡る2橋梁が必要だが、道路築造や橋梁設置で施工方法や技術的難易度も低く築造しやすいとした。

 また、Aルートは概算事業費290億円(工事費265億円、用地補償費25億円)、Bルートが同195億円(工事費170億円、用地補償費25億円)で経済性にも優れている。

 県では今後、地元への説明会を行うとともにルート案をホームページにアップ、意見や提案を吸い上げてさらに詳細な調査を進めルートを決定していく予定だ。

 宮澤宗弘安曇野市長は「地下水への影響が一番心配だった。しかしBルートは集落を分段し、優良農地が多く潰れる。沿線地域へはメリットやデメリットなどを丁寧に説明してほしい」と県に要望。堀内秀県建設部長は「地域の皆様や市の意見を聞きながら、関連する道路の整備をなど含めて今後計画を進めていきたい」としていた。


WEB用/北村勉県道路建設課長が安曇野地域の概略ルートを説明003818.jpg WEB用/ルート図003819.jpg

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