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千葉県八千代市

岡田新一設計事務所が最優秀者/中央図書館等基本設計プロポーザル

2011/07/25 日刊建設タイムズ

 八千代市は22日、中央図書館・市民ギャラリー整備事業基本設計業務委託の公募型プロポーザルで、岡田新一設計事務所を最優秀者、佐藤総合計画を優秀者に選定したことを明らかにした。同プロポーザルでは、応募12者のうち5者が第1次審査(書類審査)を通過。この5者に対して今月15日に第2次審査(ヒアリング)を実施し、事業に関する理解度、意欲、提案の的確性・独創性・実現性などを総合的に評価し、最優秀者と優秀者を特定した。

 選定委員会(植松貞夫委員長)は講評の中で、最優秀者の岡田新一設計事務所の提案について、「とりわけ、児童スペースの充実、インフォメーションデスクを中心とした課題解決型図書館づくりなど図書館部分の提案は、豊富な実績とともに今日の公共図書館のあり方について他者を格段に上回る理解度を反映している」と評価。また、「省エネルギーで環境にやさしい施設づくり、建設コストと維持管理コストの縮減についての提案も充実しており、信頼できる」とした。

 一方、優秀者の佐藤総合計画の提案に関しては、「柔らかな局面のフォルムの中にすべての機能空間を平屋に収め、取り囲むテラスで周辺環境との一体化をはかった提案は美しく魅力的」と評価。「特に、エコリーフと名付けた屋根仕上げから膜天井までの仕組みは、必要性能を省エネルギーで実現するもので、合理的であり独創性が高い」とする一方、各スペースのゾーニング、書架やカウンター等の家具のレイアウトに関しては最優秀者に及ばないと判定され、僅差(最優秀者83.57点、優秀者82.00点)で次点となった。

 中央図書館・市民ギャラリーは、八千代広域公園内の敷地約1万500㎡(市街化調整区域、建ぺい率60%/容積率200%)に整備が計画されているもので、計画施設の条件は延べ床面積約5800㎡、主要構造RC造、耐震性の分類(官庁施設の総合耐震計画基準による耐震安全性の分類)は構造体Ⅱ類、建築非構造体B類、建築設備乙類。建設の条件は予定工事費約29億円(建築・設備・外構その他躯体に固定の家具等を含む直接工事費で、税込み)、建設工期約2か年とし、13年度着工予定。

 施設概要は、中央図書館(約3500㎡)が開架約18万5000冊(開架書架室含む)、閉架約27万5000冊(電動集密書庫・自動出納書庫20万冊程度、団体書庫含む)の合計約46万冊。また、市民ギャラリー(約1280㎡)は市民展示室、企画展示室、倉庫、準備室(荷解き室)、常設展示室、美術品収蔵庫、ラウンジ、事務室等を設ける。

 市民ギャラリーの美術品収蔵庫の収蔵点数は平面作品100号以上1点、50号以上100号未満10点、50号未満482点、それに彫刻14点の合計507点を予定。企画展示室については、市民展示室または常設展示室との併用利用も考えられるとしている。

 今回の業務委託の内容は、中央図書館・市民ギャラリー整備に伴う建築・設備・外構等を含む基本設計で、履行期間は契約の翌日から2012年1月31日まで、予定業務委託料は4200万円以内。

 2者以外のプロポーザル参加者はINA新建築研究所、石本建築事務所、山下設計。いずれも意欲的な提案が行われたが、総合的な評価では2者に及ばなかった。なお、中央図書館・市民ギャラリー隣接地では、市の総合グラウンドが今年度着工予定。

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