県教育委員会管理課は23日、16年度の県立学校施設整備実施計画を明らかにした=6面に詳細な一覧表記載。目玉となるのは、(仮称)藤岡中央高校施設整備への着手。同校は、藤岡高校と藤岡女子高校を統合し、藤岡地区の中核校として新設。今年度は校舎及び体育館の基本・実施設計を作成するほか、用地造成工事を見据えている。また、開校後当面の間は現在の藤岡女子高校内で運営することになり、それに伴う仮設校舎の設置や共学化によるトイレ改修等を行う。一方、今年度着工施設の中で大規模工事は、太田西女子高校のフレックス棟と、伊勢崎女子高校の多目的・格技場棟で、ともに2か年で施工する。このほかの注目施設としては、工事は17年度以降になるが、高崎工業高校の第2体育館、格技場、図書館等が併設する複合施設で、今年度は設計に着手する。
同課では、今年度施設整備の基本方針として8施策を掲げている。
第1は、既存校舎、体育館の老朽化による危険及び機能低下の著しい学校の計画的な大規模改修工事及び設計の実施。対象校は、校舎が中央高校、伊勢崎女子高校、太田高校、渋川女子高校、富岡東高校、富岡実業高校。体育館は、前橋高校、高崎高校、高崎工業高校。
第2は、高校改革に伴う新築工事、改修工事及び設計の委託。対象校は、伊勢崎東高校、伊勢崎女子高校、伊勢崎興陽高校、太田西女子高校、安中実業高校、万場高校。
第3は、前橋工業高校移転整備で、15年度に発注した第2期建設工事を促進するとともに、第2期グランド工事を実施。
第4は、(仮称)藤岡中央高校の整備。
第5は、中等教育学校で15年度発注の校舎工事等を完成させるとともに、北校舎解体、コミュニケーションハウスの設計を行う。
第6は、小規模施設の改修、改築。対象校は、高崎女子高校、桐生女子高校、利根実業高校、藤岡工業高校、榛名高校、吉井高校、中之条高校、玉村高校、大泉高校。
第7は、産業教育施設の充実化で、中之条高校が対象。
第8は、特殊学校施設の大規模改修、増築工事、設計。対象校は、榛名養護学校、二葉養護学校、二葉高等養護学校。
今年度工事実施校のうち、規模が大きいのは太田西女子校フレックス棟と伊勢崎女子高校の多目的・格技場棟。ただし、工事は分離発注するため、議会案件までには至らない模様。
2校の施設概要として、太田西女子高校ではフレックス制の導入に伴う新築。規模は、RC造3階建て、延べ床面積約2500㎡。講義室、パソコン室、多目的などを配置する。
伊勢崎女子高校は、単位制校への移行に伴う共学化による新築。規模は、RC造3階建て、延べ床面積約1334㎡。内部には、多目的室、柔剣道場、部室などを備える。2校ともに17年度までの2か年事業で、伊勢崎女子は設計まで終了しているが、太田西女子高校はこれから設計を作成し、その後着工する。今年度事業費は、伊勢崎女子校が2億4250万円(17年度債務負担1億3000万円)、太田西女子校が1億4300万円(同4億8000万円)。
一方、注目される(仮称)藤岡中央高校の動向については、まずは設計の委託時期が焦点となるが、上期には外注されそう。また、敷地造成工は年度末になる見通しで、藤岡女子高校の仮設校舎やトイレ改修も年明け1月からの着工を予定。
同校は、現在の藤岡高校と藤岡女子高校に代わる新設校として計画、数理科学科(2クラス)と文理総合科(4クラス)の2学科で構成し、1学年定員は240人(6クラス)。
設置場所については、交通アクセス等の立地条件面で立石地区を選定。県道前橋長瀞線と上越新幹線に挟まれており、藤岡総合病院外来センターと道路を挟んですぐ北東側に位置する。
当初予算には、新校設置に係わる校舎及び体育館(各1棟ずつ)の基本・実施設計費7196万7000円をはじめ、文化財調査費5535万円、敷地測量、造成費1億4909万9000円や、藤岡女子高校の既存校舎トイレ等の改修費2365万1000円、仮校舎使賃料608万円など、計3億円余りを計上。
各施設の規模については設計の中でツメられるが、文部科学省の基準にあてはめると校舎の延べ床面積は約7200㎡となり、この規模が目安となりそう。
発注スケジュールは、委託関係から優先し、その後工事についても概ね上期内に発注する考えでいるが、前橋工業高校については8月中の全工事終了を目指していることから、早期発注となる。