中部電力㈱上越火力発電所や国際石油開発帝石㈱LNG受入基地の建設が進む直江津港に8日、液化天然ガス(LNG)を積んだ第1船が入港した。新潟港と併せて拠点港の申請を行っている直江津港が、エネルギー港湾としての第一歩を踏み出した。
LNGを積んだ第1船は、同日の午前7時ごろに中部電力のLNG桟橋に接岸。今後、10日間かけて、LNGの積み下ろしを行う。同社では、2012年7月の営業運転開始に向けて、試験運転を本格化させる。営業運転開始後には、同発電所からの電力は、長野や中部地方を中心に送電されるほか、国際石油開発帝石㈱のLNG基地で受け入れた天然ガスが、同社のパイプラインを通じて、県内や関東甲信地方へ供給される。
直江津港では1996年度より、国交省北陸地方整備局と新潟県が、『直江津港エネルギー港湾整備事業』として整備を進めてきた。北陸地方整備局では、港内の静穏化を目的に沖防波堤(L=2500m)や第3東防波堤(L=660m)の整備を行ったほか、新潟県では、LNG受入基地や火力発電所の建設用地として、公有水面の埋立が行われた。
両事業の完成に伴い、このほど、第1船が入港し、エネルギー港湾としての節目を迎えた。
現在、建設が進められている中部電力㈱上越火力発電所は、来年7月の1号系統の運転開始後、14年度に2号系統の運転開始を目指している。国際石油開発帝石㈱LNG受入基地は、14年度初頭の供用を予定する。
また、整備時期は、未定だが、23年の営業運転開始をメドに東北電力㈱の火力発電所の建設も計画されている。
【写真=直江津港に入港したLNG船(8日、上越市内)】