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経営戦略2011/西原環境 西原幸志社長/「リーディングカンパニー目指す」

2011/10/20 本社配信

 就任して3カ月が経過した㈱西原環境(東京都港区)の西原幸志社長にインタビューし、経営戦略を聞いた。同社は上下水道施設の設計施工(EPC)、運転維持管理(O&M)、関連機器販売を事業の三本柱としている。西原社長はこれらを強化しつつも、新たな成長分野を見定め、道筋をつけたいと述べた。




 ―社長就任から3カ月を振り返った感想は

 西原 非常に充実した3カ月だった。ただ社長業の大変さは痛感している。社長になる前はすぐ下の常務だったのだが、上に一人いるかどうかでかなり違ったのだなと思っている。常務時代は結構、言いたい放題言っていたのだが、振り返ると、それも社長がいたから言えたのかなという気がしている。


 ―経営のかじ取りをする上で重視している点は

 西原 志と情熱が重要だと思っている。今、閉塞感が漂っている外部環境ではあるが、経営者として理想を持って、こういう会社にしていくという志を持ち、内外に発信することは非常に重要。それがないと、暗い未来しか見えない。社長就任に際して、全社員に「業界のリーディングカンパニーを目指す」という考えを発信した。存在感、影響力のある会社を目指す。強い決意と情熱を持ち、目指す方向を社員と共有していきたい。


 ―現在の経営課題と解決策について

 西原 将来の方向性が一番重要。建設の時代から維持管理の時代になっているので、O&Mを強化するのが、ひとつの方向性。ただリーディングカンパニーを目指すという意味では当然、EPCも強化していく。EPCは通常の処理場の新築は少ないので、新しい事業を掘り起こしていかなければ先が見えない。今、私に課せられた使命だと考えている。キーワードとしては省エネ、創エネ、自立型の処理場、資源循環、汚泥と水の再利用、財政健全化、少子高齢化などがある。当社が持っている技術や商品で短期的に取り組める部分、それから今後、経営資源を投入して、長期的に取り組んでいく分野を仕分けして、やっていく。


 ―PPP(官民連携)のマーケットについて

 西原 非常に興味のある分野。就任当初から、PPPはこれからの流れになるので、避けて通らず、自ら積極的に取り組んでいくという方針を出している。勉強していかなければならない。新しいビジネスモデルに積極的に関与していくことが、売上増、利益増につながると考えている。今までの仕様書発注や請負の考え方では対応できない部分があるので、大きく変わっていかなければならない。


 ―世界最大の水メジャーであるヴェオリア社と提携した背景、狙いは

 西原 時代の流れとして、建設から運転管理への移行というのは数年前から分かっていた。当社は運転管理を強化したい、ヴェオリア社は日本での足場を築きたいということで利害が一致して、関係をスタートさせた。今後はO&Mについて、当社単独で対応していく部分もあるが、大都市の大型処理施設については、ヴェオリア社とJVあるいはSPC(特別目的会社)を組んで対応していく。世界で成功しているノウハウと技術を、日本の施設に合う形で適合させてやっていきたい。


【略歴】

 にしはら こうじ。戸田建設勤務を経て1995年に西原環境衛生研究所(現・西原環境)入社。取締役執行役員(民需・マーケティング担当)、常務取締役首都圏支店長などを経て、6月に代表取締役社長。49歳。



【写真=「志と情熱が重要」と語る西原幸志社長】

「志と情熱が重要」と語る西原幸志社長000861.JPG

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