県土木部営繕課は、(仮)いばらき中性子最先端医療研究センター整備工事の一般競争入札を第3四半期(年内)に予定している。東海村白方に立地する旧NTT研究棟を、最先端の医療研究拠点として改修するもの。ただ、この発注時期は県の公共工事発注見通しに示されているもので、設計の修正などもあることから発注時期は流動的。工期は約8カ月。
県では、県内にある世界最高レベルの高度な技術や研究成果を活用し、最先端のがん治療法である「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の実用化を推進するため、「いばらき中性子最先端医療研究センター整備事業」を計画。産学官連携による実証的な共同研究を行うBNCT治療研究施設として整備する。
本年度当初には、事業費として1億1618万1000円を予算化。整備期間に本年度と来年度の2カ年を想定しており、総事業費には施設整備分として約2億7000万円を想定している。
対象地は、日本原子力研究所東海研究所の向かい側に位置する旧NTTの研究施設。2002年までNTTが使用した後、東海村、県、高エネルギー加速器研究機構の3機関が用地を取得し、A、B、C地区として順に所有している。
このうち改修場所は、県が所有するB地区の研究10号棟で、施設規模はRC造地下2階地上3階建て延床面積2731・35㎡。県が大強度陽子加速器施設(J-PARC)の供用に合わせて整備した「いばらき量子ビーム研究センター」の隣接地。
この研究10号棟は、小型加速器中性子源を活用した医療分野の研究施設に改修する。主に治療用照射室、研究室、実験室、加速器室などの整備を行うほか、機器設置のための電源、空調設備の改修を行う。
9月末をめどに、㈱梓設計(東京都品川区)に委託していた設計もおおむね完了。ただ修正する点があることから、発注時期は流動的。県の公共工事発注見通しには、発注時期が第3四半期と示されている。
工事は、建築、電気設備、機械設備の3分割で発注を予定。工期には、それぞれ8カ月が想定されている。
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