公正取引委員会は、建設業団体が建設工事の資材などの単価や工事の積算価格などを掲載した資料、いわゆる「価格表」を作成することは独禁法に触れる恐れがあるとして、建設業三七団体に改善するよう指導していたことが分かった。建設省に対しても独禁法の考え方を関係団体に伝えるよう要請した。
同委員会が実態調査報告書をまとめて明らかにしたもので、公取に届け出のある一、四三四団体のうち無作為で抽出した六七三団体のうち、三七団体が価格表を作成していた。
価格表の形式は、資材等の単価を載せている単価表と、積算方法と合わせて資材などの単価を載せた積算表の二種類。
また、価格表に記された単価は、団体内の個々の業者の価格を調査し統計的に処理したものと、官公庁や民間調査機関等が作成した公表資料から引用したものとがあった。
公取では、独禁法上問題となる恐れのある価格表を作成していた団体に対し、事業者団体ガイドラインを含め、独禁法の考え方を伝え、問題点を指摘するとともに、個々の構成事業者の価格を明示することなく、概括的に、需要者を含めて提供したり、一連の価格群を特に加工することなく、客観的な参考情報の一つとして引用したりする-などを指導した。会員の自由な価格設定を妨げているような事態に接した場合には、独禁法に基づき厳正に対処していくとしている。
建設省では、これを受けて独禁法の考え方の周知徹底を関係建設団体に要請した。