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茨城県保健福祉部

補助内示受け本格始動へ/年内にも愛正会と基本協定/こども福祉医療センター/障害福祉課

2011/12/03 日本工業経済新聞(茨城版)

 県保健福祉部障害福祉課は、震災で遅れていた「こども福祉医療センター新施設整備事業」(水戸市元吉田町)を本格的に進める。このほど国庫補助の内示を受けたことから、年内にも事業者の(福)愛正会(高萩市下手綱、金川一郎会長)と基本協定を締結したい考え。当初のスケジュールでは本年度から来年度に設計と建設を進め2013年3月開所を目指すとしているが、震災の影響で遅れる可能性もある。設計は㈱戸頃建築設計事務所(水戸市松が丘)が策定中。当初ベースの総事業費は約43億円で、そのうち工事費に約40億円を見込む。

 この事業は、旧水戸産業技術専門学校跡(水戸市元吉田町字一里塚東1872)の敷地1万6855㎡に、肢体不自由児施設と重症心身障害児施設を有する135床の新施設を一体整備するもの。

 公募は当初、3月23日までとしていたが、震災による社会福祉法人の被災状況を考慮し、4月15日まで約3週間延長。その後、専門家による事業者選定委員会(委員長・山口巌県総合健診協会会長)での選定を踏まえ愛正会を事業者として決定。

 6月20日から7月10日にかけて、3回の利用者説明会を開催。施設の設計などを進めるに当たって、利用者から意見を求めた。

 事業計画によれば、施設規模はRC造地上3階地下1階建て延床面積1万2378㎡。施設は肢体不自由児施設が定員35人、重症心身障害児施設が定員100人。短期入所と日中一次支援は各10人。

 診療科目は、小児科、神経小児科、整形外科、リハビリテーション科、総合診療科(内科)。在宅支援のメニューは、訪問診療、訪問リハビリ、訪問看護、成育在宅支援センター(生涯療育指導体制)、成人療育訓練。CTスキャンやMRI、エコー、電子カルテなど最新の医療機器を導入予定。

 方針として、機能訓練や診療科目を充実させるほか、訪問リハビリなど県からの事業を受託する。また県への支援要望として初期投資10億円や、運営費への支援、県職員の派遣を計画に盛り込んだ。

 そのほか現センター跡地(国有地)を公園や避難防災広場、駐車場として活用する提案や、防災対策として避難用スロープの設置、非常用電源の設置、法人所有給水車の活用、耐震性受水槽、井戸の設置を計画に盛り込んでいる。

 震災で遅れていた厚生労働省からの国庫補助(社会福祉施設等施設整備費国庫補助金)も、このほど内示が下りた。このことから、県では年内にも愛正会と基本協定を締結し、事業を本格的に始動させたい考え。

 この国庫補助は3億4460万円で、事業は2カ年のため補助総額は倍の6億8920万円。これに県からの単独補助(10億円限度)が加わる。なお、総事業費は用地取得費の2億3000万円を含め約43億円を想定。そのうち工事費は約40億円を見込んでいるが、当初ベースの数値となる。

 基本協定を締結した後、愛正会では実施設計へと進め、建築確認を経て、来秋ごろに工事発注を見込んでいる。


【写真=イメージ】

こども福祉医療センター 愛正会012379.jpg

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