秩父市、吉田町、荒川村、大滝村で構成する秩父合併協議会は19日、第3回協議会を開催し、新市まちづくり計画(新市建設計画)を提案した。主要プロジェクトには、吉田~秩父を結ぶトンネル建設を含む新市内20分道路整備、16年度事業費ベースに生活道路等整備事業倍増など交通基盤に重点を置くほか、新エネルギー施策、火葬場やふるさと学習センター、大滝温泉を活用したリハビリ診療所の建設などの施策を盛り込んだ。なお、合併特例債の事業費は234億6000万円の試算。
合併新市の規模は、平成17年に7万1900人、22年には、6万9300人、27年6万6200人へと減少する見通しだが、新たなプロジェクトなどによる雇用の創出で、人口増加を目指す。
新市の主要プロジェクトには9項目を設定。
新市内20分道路整備プロジェクトは、新市内各地域から西武秩父駅や秩父駅周辺までの到達時間を20分以内とするもの。吉田~秩父間にトンネルを建設するほか幹線道路網、地域道路網の構築を進める。また、大滝~荒川間のトンネル建設は県事業に。主要地方道秩父荒川線の改良など。
生活道路等整備事業倍増プロジェクトは、市町村道の平均舗装率が51・9%(12年度値)と県平均より10%以上低い状況から立案。生活道路を中心に舗装率の向上、併せて道路側溝、排水路を一体的に整備していく。16年度の事業費をベースにして10年間その2倍の額を確保し、計画的かつ速やかに整備を進める。
助けあい・温もりのまちプロジェクトでは、高齢者や障害者、子育て支援などの福祉施策を充実。大滝温泉を活用したリハビリ診療所を建設し、医療サービスの向上を図る。また小中学校の学習環境の向上と建物の耐用年数延長を図るため、築30年以上経過した校舎、体育館について大規模な改修を実施する。
「学び・憩い・集い」推進プロジェクトには、(仮称)ふるさと学習センターの建設を盛り込んだ。他のプロジェクトとも連動し、合併に当たり住民に夢を持ってもらうため、3機能を有する複合的な施設。文化的・科学的な情報を中心としたサービス提供、地域の長い歴史が1か所で展示できるよう各地の民俗資料を集約。また住民が待ち合わせ場所として気軽に立ち寄れるような場所、駐車場を効率的に兼ね備えた、複合施設として整備する。
地域産業・雇用機会創出プロジェクトでは、木質系バイオマス発電などの検討と施設整備、森林管理道の開設・整備など。安心・快適・夢空間プロジェクトでは、老朽化、機能強化が求められている火葬場や葬斎場を新築。浄水場や老朽管のリニューアル、宅地造成、公営住宅の整備などを盛り込んだ。