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鹿島 CO2排出量ゼロ以下のコンクリートを建築分野で初適用

2012/02/01 本社配信

鹿島(本社・東京都港区 中村満義社長)は30日、CO2を強制的に吸収させるコンクリート「CO2-SUICOM」を建築分野で初めて適用したことを明らかにした。コンクリートの主原料であるセメントの製造時にCO2を強制的に吸収させることで排出量を実質ゼロ以下にしたのが最大の特徴だ。CO2を強制的に吸収・反応させた養生方法(強制炭酸化養生)によりコンクリートを製造し、今年5月竣工予定の集合住宅(中野セントラルパーク レジデンス)のバルコニー天井部に初めて採用する。

同社技術研究所建築生産グループの笠井浩上席研究員は「セメントの一部を特殊混和材と石炭焼却灰(フライアッシュ)に置き換えることにより、セメント製造時に排出されるCO2を削減できる。さらに特殊混和材はCO2と反応することで、コンクリートを緻密化・硬化させる性質を持ち、普通のコンクリートに比べて大幅にCO2排出量を削減できる」とした。また、コンクリート内部が緻密であるため、CO2やO2などが入りにくく、しかも強度、耐久性にも優れ、躯体コンクリートの保護に有効な材料であることをアピールした。

同社は低炭素社会を目指し、CO2削減を積極的に推進してきたが、コンクリート製造中に大量発生するCO2を削減する革新的な手段がなかった。そこで、同社と中国電力、電気化学工業の3社で3年半ほど前から共同開発に乗り出し、このたび製造方法等を工夫することにより住宅など建築分野での初適用に成功させた。

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