県企業局は、水道用水や工業用水の供給事業をはじめ、工業団地の造成や企業誘致などを行っている。これらを進めるためには、しっかりとした経営が不可欠。安定経営を進める中で、「これまで培ってきた一般行政の管理部門での経験を生かしていきたい」と抱負。
また震災に関して、「企業局は、従来から危機管理対策に取り組んでおり、その取り組みが今回の震災で生かされた。そうは言っても、もっとこうしておけば良かったという課題も出ている。そういうものを付加して、さらに危機管理を行うことが求められている」と語った。
1975年(昭和50年)4月に県南農林事務所へ入庁。以降、財政課や秘書課、原子力安全対策課、事業推進課、広報広聴課などで経験を積んだ後、理事兼政策審議監、総務部長と手腕を発揮し、ことし4月から企業局長に就任した。
企業局は、「行政経験の中で初めてのところ」と中島氏。目下、業務内容や現場の早期把握に奮闘中。
また企業局に配属され、強く感じたのが「元気のある職員が多いこと」だという。
「やはり、一丸となって目標に向かっていくためには人材が大切。渡邊一夫前企業局長のモットーである〝茨城の元気は企業局から〟を受け継いで、組織の力を最大限に発揮できる、やる気のある人づくりにも取り組みたい」と語る。
本年度の事業では、数ある施設の中で唯一、復旧が完了していない鰐川浄水場の本格復旧を「6月までに終わらせたい」と述べたほか、震災での教訓を生かして、さらに危機管理対策を強化したい考え。
補修資材の備蓄の強化や、計画的な耐震補強、老朽施設の更新、そして鰐川浄水場や鹿島浄水場が被災した際に実証された「緊急連絡管の確保」も行っていくという。
さらに、「災害時に電源確保が重要」と述べ、鹿島浄水場と那珂川浄水場に非常用自家発電設備(ガスタービン)の整備に本年度着手する。そのほか国のグリーンニューディール基金を活用し、6つの浄水場内に太陽光発電設備や蓄電池を整備する方針だ。
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1952年(昭和27年)12月27日生まれの59歳。水戸市在住で、妻と二人暮らし。宇都宮大学農学部農業経済学科卒。
趣味は中学校時代から続けているソフトテニス。今月から、県庁ソフトテニス部の部長に就任。
また、最近はゴルフを再開。「妻の趣味に合わせて再開した。忙しい中でも趣味は共有している」と夫婦円満の秘訣を語ってくれた。
最近よく読む本は経済ものの雑誌。
モットーは「思いやり」。
【写真=中島企業局長】