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千葉県君津農業事務所

三島ダムと小櫃南部地区が計画決定/基幹水利ストックマネで設備補修など

2012/05/11 日刊建設タイムズ

 県君津農業事務所は、基幹水利施設ストックマネジメント事業の三島ダム地区(君津市、富津市)と小櫃南部地区(君津市)の2地区で、事業着手に向けた法手続きを進めている。先月24日付で県から計画決定が告示された。同事業は地域自主戦略交付金(一括交付金)事業として実施するもので、今後、事業計画を確定し、交付金の内示を得て事業がスタートする。

 三島ダム地区は2012年度~17年度の6か年で総事業費3億8000万円(うち工事費3億400万円)を投入しダムの補修工事を実施する。

 三島ダムは、1943年から68年に実施した県営かんがい排水事業小糸川地区により建設された。主要施設は建設から40年以上が経過し劣化が進み、特に取水ゲートは耐用年数を過ぎ、4門のうち1門は開閉不能の状態にある。このため、施設の機能診断を行い、併せて保全計画を策定した結果、機能保全対策工事を実施することになった。

 同地区の受益面積は1607ha。ダムは中心コア型アースダムで、堤長127.7m、堤高25.3m。貯水量は9万8103立方m。取水設備は円筒型で内径2.8m、高さ23.0m、取水ゲート4門。最大取水量は毎秒2750立方m。

 一方、小櫃南部地区は、12~14年度の3か年で総事業費1億4060万円(うち工事費1億1920万円)を投入し小櫃南部揚水機場の機能保全対策工事を実施する。同機場の揚水機はφ450㎜×150kwが1基で、最大取水量が毎秒0.383立方m。

 同機場は、1980年から90年に実施した県営ほ場整備事業の中で建設された。事業実施から約20年を経過し、維持管理費の増大などが懸念されることから、施設の診断や保全計画の策定。その結果、対策工事を実施し、機能保全コストの低減を図ることになった。

 工事は本年度で電気設備、ポンプ設備、土木構造物を実施し、13年度でポンプ設備、14年度でゲート設備を実施する予定。

 以下、2地区の施設整備計画等は次の通り。

 ■三島ダム地区

 【主要工事】

 ▽取水設備工(1億4400万円)=①取水ゲート:扉体4門の更新、開閉機4基の更新、戸当たり他②導水管:放流バルブ室導水管再塗装1か所③すい道:コンクリート吹付、ロックボルト1式。 ▽余水吐工(1億4000万円)=側水路・放水路:表面被覆補修・補強1式。

 ▽ダム観測機器(2000万円)=地震計更新2基、電気式水圧計の更新4基。

 【事業費】(単位千円)

 ▽工事費304,000=①取水設備144,000②余水吐140,000③ダム観測機器20,000▽測量試験費49,000▽用地買収補償費1,000▽工事雑費8,000▽地方事務費18,000。

 ■小櫃南部地区

 【主要工事】

 ▽土木構造物(1140万円)=①機場建屋:RC造B4.0m×L5.0m×H3.77m1棟②吸水槽:コンクリートの表面の欠損、摩耗等修復(表面被覆工法、断面修復工法)1式②送水路更新:VU管φ600㎜×L65.3m。

 ▽電気設備工(8800万円)=①高圧受変電設備移設工事:建屋更新に伴う盤類の移設及び再配置1基②低圧配電盤類更新:既存設備と同仕様2基③ゲート機側操作盤:既存設備と同仕様1基。

 ▽ゲート設備工(3100万円)=補修工事:扉体再塗装、水密ゴム取替1基。

 ▽ポンプ設備工(9590万円)=①主ポンプ・送水路更新:水中ポンプφ450㎜、毎秒0.300立方m×160kw、送水路:DCIPφ450㎜×L11.3m②弁数更新:バタフライ弁φ600㎜1基、逆止弁φ600㎜2基。

 【事業費】(単位千円)

 ▽工事費=119,200(土木構造物11,400、電気設備8,800、ゲート設備3,100m、ポンプ設備95,900)▽測量試験費=10,800▽用地補償費=600▽工事雑費=3,300▽地方事務費=6,700。

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