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土浦協同病院、13年3月着工/看護学校の移転、跡地に老健も/水戸は基本構想策定へ/12年度事業計画

2012/05/18 日本工業経済新聞(茨城版)

 県厚生農業協同組合連合会(JA県厚生連)は、2012年度事業計画を明らかにした。まず土浦協同病院の移転新築を基本方針の中にも挙げており、2013年3月の着工を目指すほか、この動きに付随して附属看護学校の移転、跡地への老人保健施設の設置などをにらむ。水戸協同病院では、改築に向けた建設構想委員会で基本構想の策定に取り組む方針。そのほか先行して進む、JAとりで総合医療センター(旧・取手協同病院)の2期増改築工事を継続させたい考えだ。

 12年度は、第7次中期3カ年基本計画(10~12年度)の最終年度に当たる。そのため基本方針では、土浦協同病院の移転新築工事の着工に向けて、事業計画の実践と進捗管理に努め、経営の合理化と効率化を図る。

 収支計画は、事業損益が前年度の6億7672万6000円に対し本年度が10億3308万4000円と52・6%増、経常損益が8億9843万7000円に対し11億4858万3000円で27・8%増、当期損益が17億2553万3000円に対し17億101万9000円で1・5%減を想定。

 それらの基本方針と収支計画を踏まえ、各病院が事業計画を進める。

 まず水戸協同病院では既存建物の老朽化と狭隘化の解消が課題であることから、水戸協同病院建設構想委員会を設置し、基本構想の策定に取り組む。なお、同委員会は5月11日に初会合が開かれた。

 土浦協同病院については、2013年3月に移転新築工事を着工し、15年初期の開院を目指す。

 この着工に向け、このほどJFE商事㈱(旧川商リアルエステート㈱)から「土浦ニュータウンおおつ野ヒルズ」の土地約18万5000㎡を取得。これと並行して、基本設計が㈱梓設計(東京都品川区)で進む。新病院の規模は地上10階建て延床面積8万1000㎡を想定。総事業費に298億円を見込む。

 また土浦協同病院では、移転後の跡地の有効活用を図るため、老人保健施設の設置や外来診療機能の提供を検討する。

 JAとりで総合医療センター(旧・取手協同病院)は、2期増改築工事の竣工により看護師・コメディカルの人員配置を含む診療体制の充実を図る。

 同センターでは、耐震補強や増築、保育所の建て替えを、安藤建設㈱(東京都)が10~13年度の継続で施工中。規模は既存と同様の414床。敷地1万8772・66㎡に延床面積1万1576・87㎡を増築するほか、既存の延床面積2万4879・63㎡を改修する。

 また保育所は、取手市井野台5-11-34の敷地1149・85㎡にS造の延床面積327・50㎡で完成。㈱三橋建築設計事務所(東京都)が設計した。

 茨城西南医療センター病院については、本年度に33床が増床となったことから、医師・看護師の確保に努め、診療体制の充実による収益確保を図る。

 県北医療センター高萩協同病院については、地域のニーズ調査などを行い、今後の病院機能のあり方を検討。

 なめがた地域総合病院も、病院機能のあり方を検討し、経営安定化に向けた基本計画を策定する。

 土浦協同病院附属看護学校は、学生の定員増を早急に検討。また、土浦協同病院の移転先への同校移転も計画されていることから、将来の学校のあり方も検討する。



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