県地方港湾審議会(会長・川島毅(社)日本港湾協会理事)が21日、県開発公社ビルで開催された。当日は、大規模洋上風力発電施設の設置を想定し、鹿島港港湾計画の一部変更案を審議。これが承認された。今後は知事へ答申した後、国の交通政策審議会港湾分科会(7月上旬予定)に諮られる。それと並行して、港湾管理者である県が事業予定者を公募する予定だ。
小野寺誠一県土木部長によるあいさつの後、県は、まず国による革新的エネルギー・環境戦略の策定や、再生可能エネルギー電気の固定価格買取制度(7月導入)に触れた。
その上で、県内では㈱リクシル岩井工場の太陽光発電や㈱ウインドパワーいばらきの風力発電、北越紀州製紙㈱のバイオマス発電など、さまざまな再生可能エネルギーが導入されている状況を説明。今後も県エネルギープランを見直し、さらに再生可能エネルギーを導入するとした。
それらを踏まえ、議事では鹿島港港湾計画の一部変更案を審議。
場所は、鹿島港の南東に位置する南海浜地区と南海浜沖地区の一部の海域で、面積が約700ha。護岸沿いの洋上には㈱ウィンド・パワー(神栖市南浜、小松﨑衞代表取締役)による風車7基が設置され、現在8基が東光電気工事㈱(東京都千代田区)の施工で建設中。この場所への大規模洋上風力発電施設の設置を想定し、港湾計画の一部を変更するもの。
南海浜地区と南海浜沖地区の一部を、「再生可能エネルギー源を利活用する区域」に設定。風力発電施設の導入を図るため、港湾空間利用のゾーニングでエネルギー関連ゾーンを追加する案を示した。
また、区域設定の根拠として、この地域の陸上で毎秒5m以上、洋上で毎秒6m以上の風速が予測されること、南防波堤や潜堤、既存の風車から離隔していることなどを付け加えた。
これに対し、委員からは安全面や環境面へ十分配慮するよう要望する声があり、県は調査検討をしっかりと行うよう事業者へ指導する意向を示した。
なお、この場所では㈱ウィンド・パワーが、約100基程度の風車を設置する大規模洋上風力発電所「新エネ メガサイト」の建設を計画している。同社によれば、初段の第1期工事(50基)は2015年度となる予定。
【写真=鹿島港湾 区域設定の考え方】