協同組合群馬県木造住宅研究会(田尾嘉正理事長)は29日、前橋市内にある前橋さくらホテルで第17期通常総会を開いた。総会では第1号議案から第5号議案までを慎重審議し任期満了に伴う役員改選では田尾嘉正理事長の再任が出席者全員の同意を得て決まった。
開会の冒頭、あいさつに立った田尾理事長は2011年度の全国新設戸数について「全国の新設住宅は83万4117戸で対前年度比2・6%の上昇ですが、県内を見ると1万2041戸で対前年度比はマイナス4・6%。県内の景気回復にはほど遠い数字でありますが、超低金利や税制や数々の特例、各種の補助金制度がある中で着工戸数が伸び悩むのは雇用や収入の不安定、先の見えない景気回復に要因があるのでは」と指摘している。また「住宅は人が安らぐところ。寝るだけの箱ではなく、十人十色のようにそれぞれに違いがある。安らぎが生まれる住宅づくりのために今後も継続的な組合活動へご協力を」と求めた。
総会では11年度の事業報告や収支決算、本年度の事業計画案、予算案をそれぞれ慎重審議したほか任期満了に伴う役員改選を実施。役員改選では田尾嘉正理事長の再任が決まり、その他の議案もすべて異議なしの声とともに承認となった。
総会ののちには臨席した来賓から祝辞が贈られ、県建築住宅課住宅政策室の佐藤義則室長は「県では市町村へ耐震改修の補助制度の創設を呼びかけているとともに、制度を有効的に利用してもらうためリフォームなどの合わせ技で対応していく段階になってきている」としリフォーム業者登録制度の設置や国が促進する断熱材の設置方法講習会の開催、空き屋対策など県が取り組む住宅政策を説明した。林業振興課の田中功課長は「群馬県の木で家づくり支援事業では11年度に692戸の実績だった。本年度は800戸4億円の予算措置を取っており800戸完全実施を目指して進めていく。木材住宅の促進は木材需要拡大の重要な柱になる」と意気込み、支援事業の活用と周知協力を求めた。また、住宅金融支援機構北関東支店の山本正雄営業推進部門長は住宅ローンを思考している顧客へのアドバイス情報として「不透明な景気状況下でも資金計画をしっかりと練ることができる」と説明した資金計画シミュレーション研修会について紹介。群馬県中小企業団体中央会情報課の蓼沼潤課長補佐は「厳しい景気の時こそ、仲間同士のきづなが大切。これからも結束力の高さを保持していってほしい」と話した。最後に城田建築設計事務所の城田幸子さん(群馬県建築士会女性委員会長)は、「組合の役に立てる活動を展開していく」と豊富を語った。
新体制は次の通り(敬称略)。
◇理事長=田尾嘉正(田尾工業)◇副理事長=六本木良二(六本木工務店)◇専務理事=佐藤信一(信栄コンストラクション)◇理事=岩崎謙治(エスエー企画)、森田裕(建友ホーム)、篠田佳一(篠田工務店)、野口道雄(野口組)、原田栄市(原田建設)、川合進(北進建設)◇監事=岡田進。