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農林水産省西関東土地改良調査管理事務所■静岡県内・データなし■

「笛吹畑かん」始まる/近く設計業務を公告/本年度予算1・4億円/西関東土地改良事務所

2012/06/23 山梨建設新聞

 笛吹川沿岸畑かん施設整備で関東農政局西関東土地改良調査管理事務所は、近く事業着手する。来週中にも幹線のマクロセル対策に向けた詳細設計を公告。来月には揚水機場補修の設計委託も公告し、11月頃から工事に入る見通しだ。設計、工事を含め本年度事業費は約1億4000万円を見込んでいる。

 本年度は甲州市塩山藤木地内から南西に伸びる「右岸幹線」のマクロセル対策、揚水機場建屋の補修などを計画。10月頃までに設計を完了させ11月から工事に入る考えだ。

 計画区域全体でマクロセル対策が必要な箇所は247カ所に上る。このうち本年度は右岸幹線内30カ所程度の設計を行い、うち10カ所程度に対策を施す。対策は流電陽極法、外部電源法などを検討しているが詳細な工法については設計とともに決めていくという。

 揚水機場建屋については雨漏りなどの対応として外壁補修を計画。区域内10カ所のうち9カ所を対象に設計を行い、うち中央管理所(甲州市塩山藤木地内)など数カ所の補修を本年度実施する。

 設計についてはマクロセル対策は今月中、揚水機場補修は来月中旬に公告、委託する予定。

 関東農政局では事業に先立ち2004-10年度にかけ現況調査を実施。NTC(本社・東京都)、三祐コンサルタンツ(本社・愛知県名古屋市)、JIRCO(本社・東京都)らが担当した。本年度からは現況調査の結果を基に対策事業に順次着手する方針で、5月には甲府市朝気に同事務所を開設。21年度までの10年間で55億円の事業費を投じる計画だ。

 本年度については今のところ、その他に予定する設計や工事はない。来年度以降については、近隣住民への影響を考慮し、現場ごとにまとめて各整備メニューを実施していく方針。

 全体計画は次のとおり。

 ▽取水工一式(防塵機更新、ひび割れ補修)6900万円▽導水路トンネル補修(延べ500mにわたり補修)3500万円▽マクロセル対策(247カ所)11億8900万円▽ファームポンド(クラック補修、目地補修、ディスクバルブ更新、計19カ所)1億3500万円▽分水工建屋、制水弁(建屋更新17カ所、制水弁交換23カ所)3億8200万円▽弁室、空気弁(弁室縞鋼板蓋交換576カ所、空気弁交換387カ所)3億3600万円▽緊急遮断弁(左岸2カ所設置)1億6900万円▽ポンプ、電気設備(ポンプ、電気設備更新、計9カ所)7億600万円▽建屋(クラック補修9カ所)700万円▽水管理システム(システム更新)4億9700万円▽中央管理所建屋(クラック補修、屋上防水)100万円▽測量設計、用地費6億7300万円▽営繕9000万円▽工事諸費9億4600万円。

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