県茨城港湾事務所は、大震災からの復旧を進めている大津漁港(北茨城市)について、このほど水深6m岸壁Aと護岸ABの実施設計を㈱ニュージェック(大阪府大阪市)に委託した。7月20日に指名競争入札が執行され、同者が税抜き750万円で落札。設計納期は約5カ月。予算や先行する工事の進捗を見計らいながら、順次工事発注したい考えだ。
大津漁港では、大震災と大津波で防波堤の流出や岸壁エプロンの沈下などが所々で発生したことから、査定設計をまとめた後、国の査定などを経て工事を順次発注している。
今回の実施設計は、水深6m岸壁Aと護岸ABが対象。水深6m岸壁Aは第三魚市場から油槽所に至る延長445・3m。護岸ABは里根川の右岸に位置する仁井田地区の延長493mと延長30m。
この設計を約5カ月となる150日間でまとめた後、工事を発注予定。ただ、水揚げを行いながら工事を進めているほか、予算状況もあることから、発注時期は流動的。
そのほか大津漁港では、6月から、護岸(大津油槽所)や護岸C(江戸上川左岸)、内防波堤(仁井田地区)の実施設計を同じくニュージェックで進めており、そちらの工事発注時期とも調整が必要になりそうだ。
大津漁港の復旧工事については、ことし4月に本課の県港湾課が一般競争入札を開札し、「水深5m岸壁災害復旧工事その2」を鈴縫工業・日立土木JVへ発注したほか、5月には指名競争で「西防波護岸災害復旧工事」を開札し、鈴縫工業へ発注。
さらに7月には県港湾課が「西防波堤災害復旧工事その1」を東亜建設工業・鈴縫工事JVへ発注している。
同課では、これに続く「西防波堤災害復旧工事その2」を第3四半期に公告するほか、「護岸D・E取付護岸(東部地区)他2カ所災害復旧工事」を第2四半期に予定。その後も数件を発注し、2016年度をめどに復旧完了を目指す。
なお、県内漁港の査定決定額約130億円のうち、半分以上の80億円を大津漁港が占めている。
【図=大津漁港の計画平面図】