引地川下土棚遊水地整備事業に鋭意取り組んでいる県藤沢土木事務所は、二四年度ではA池の遮水壁工を重点的に実施するとともにB~C池間とC~D池間の連通管整備も併行して進めていく。
A~Dの四池から成る下土棚遊水地については、既に全体の九六%の用地が取得済みとなっていて、同事務所では、予算が確保できれば精力的に工事を進める構えだ。
整備にあたっては、四池の中で唯一引地川の右岸側に位置するA池を先行的に進める方針で、現在遮水壁工を鋭意実施している。A池が完成すれば独立して遊水地としての機能が発揮できるので、早期の供用開始を図る。
また、左岸側のB~D池については、三池が繋がってはじめて遊水地の機能が備わることから、B~C池間とC~D池間の連通管を整備する必要がある。
B~D池の整備は、連通管工、遮水壁工、掘削工と順次進めていく。四池全体の完成は二七年度を目指す。
同事務所ではまた、二四年度から下土棚遊水地整備後の上部利用計画策定に向けて検討を進めていく。
計画策定にあたり地域の合意を図るため「地域懇談会」を立ち上げるほか、学識経験者らによる「アドバイザー会議」や同事務所と藤沢市による「行政調整会議」などの組織を設置し、互いに連携させながら調整していく。上部利用施設の全体面積は、約一四㌶だが、A池だけでなく、B~D池もそれぞれ道路によって分断されるので、四池の一体的利用は難しいようだ。